未来永劫アオハルあれ!

毎週木曜日、4限目。
世界史の授業が始まって30分もすれば
昼休みにはしゃぎ疲れたクラスメイトの大半は、机に突っ伏して深い眠りに落ちている。
教卓の目の前に自席を置く天根帆高は、気だるげそうに話す斉藤先生の言葉に頷き、いつもの通り、丁寧に板書を取る。

「じゃあ30ページからー」
教科書の文章を読むことを嫌う斉藤先生は、毎授業、生徒に教科書の一部を音読させる。
誰を指名しようか、と先生が口を開いた瞬間、

ガッタンッ!「ーーッてぇ〜!」

教室の後方から大きな音がして、斉藤先生は手元の教科書から視線を外し、顔を上げる。
机に突っ伏して爆睡していたであろう数人は、その音に反応しハッと目を覚まして辺りをキョロキョロしている。

帆高は、「またか」と思いながら音が鳴る方に目をやると、
盛大な寝ピクをかまし、椅子からずり落ちたらしい柊木恂が、床に強く打ちつけた背中をさすりながら、眉間に皺を寄せ、「うぅ〜…」とうめき声を上げている。

斉藤先生は呆れた顔をしながら教壇を下りて柊木に近づき、丸めた教科書で柊木の頭をポコっと叩いた。
「お前な〜、寝るなら静かに寝ろよ。
罰として30ページからな、ほれ、読め」
柊木は分かりやすく嫌そうな顔をしたあとで、ぶーと口を尖らせる。
「ぅあー…は〜い…えっとフランス革命とは…、1789年に勃発した絶対王政?を倒す市民革命です」
まるで内容を理解していない柊木の音読が、その後2分ほど続き、読み終わると同時に、終業のチャイムが教室に響き渡った。