その日の放課後。
校舎の影で、蒼衣と顔を寄せ合って話していた。
「やっぱり、黒崎はただ者じゃないよね。蒼衣。」
「魔界で言えば⋯人外の匂い、がする。」
驚く自分もいれば、やっぱり、と納得する自分もいる。
でも、危険なのは変わらない。
黒崎が、“秘薬”を知っていたら、私たちは危険だ。
その時、近くでガサッ、という音がした。
「っ⋯黒崎!」
「その呼び方、嫌なんだけど。レイって呼んで」
「楽しそうだな。桃香、蒼衣。」
「慣れなしく呼ぶな。私はお前と話すつもりはない。でも、ひとつだけ、聞く。お前は人間か?」
蒼衣特有の凍るような冷たい瞳がギラッと光った。
「それは言えないな。お前らの正体を教えてくれたら明かすこともないけどな。俺もそんな馬鹿じゃねぇし」
「悪魔、だよね。レイ」
これは、単なる私の勘だけど。
「は?」
顔に出た。「マジか」って顔。
「図星?レイ、私が膝痛めたのもレイの魔力でしょう?さっさと明かしなよ。レイは秘薬目当て?ね、これは本当?」
本当に図星だったみたい。レイが硬直しちゃったよ。
そして、レイの唇が動いた。
「マジだよ。俺は悪魔だし秘薬目当て。お前らも秘薬目当てか?人間じゃねぇよな」
「私たちが単純に教えるとでも?学校の怪しいもの、全部教えてよ。そしたら、教えてあげなくもない。」
情報収集は必要不可欠。情報は多かったほうがいい。
「保健室の先生、校長と裏で繋がってるみたいなんだ。人外なんじゃないかって俺、疑っててさ。」
学校を一通り見たときに気づいた、違和感。
それは、本当だったんだ。
「じゃあ、協力して。保健室の先生、ひとみの正体を暴く。それが達成できたなら、私たちの正体を教えてあげるよ。これで、どう?」
「桃香⋯!ひとみがエリート悪魔だった場合、どうするの!?」
「蒼衣⋯!?それは、大丈夫でしょ!どうにか、できるよ!やってみなきゃ分かんないじゃん!そして、大事なのは演技だよね〜どうやってひとみと仲良くするのかが、一番問題じゃない?蒼衣、作戦ある?」
蒼衣は顎に手を当てて考えた後、パッと顔を上げた。
それにしても、こんなに蒼衣が必死になってるの、久しぶりに見た。
「中休みとか、遊びに行こうよ。2人で。レイが行くと不自然でしょ。私と桃香で行く。その日のことをレイに報告すればいいでしょ。どう?桃香、レイ。」
一瞬レイが驚いた顔をした。
「蒼衣もレイって呼ぶんじゃん。まぁ、俺は賛成だけどね。報告してくれんならいいよ。俺は校長の方を探ってみる。」
「分かった。蒼衣、レイ、よろしくね。レイ、校長のほうが難易度はハード。頑張ってね!ていうか、ひとみ、ネッ友の人だったら、どうしよう⋯!」
私はma◯maっていう絵チャアプリでひとみっていうネッ友、いるんだよね⋯
もしそうならば、仲良くなるのは簡単かな⋯?
「桃香の知り合いだったら、情報収集は簡単かも⋯?知り合いなら、そこは桃香に任せよう。私は校長とひとみの関係を調べる。それでどう?」
私はレイと目線を合わせてからコクンとうなずいた。
「じゃあ、役割を整理しよう。桃香は保健室の先生、ひとみの正体を探る。レイは、校長先生の情報、正体を探る。私は校長とひとみの関係を探る。これでいいね?」
「私はOKだよ。知り合い、しかも親友並みに仲いいからね。ここは私に任せてよ。絶対成功して帰ってくる。」
「俺も大丈夫。校長とは仲いいんだ、俺。俺も成功して帰ってくる。」
「いくよ!みんな!」
私は、真ん中に手をかざした。
その上に蒼衣、レイが重ねて手をかざす。
「絶対成功させるぞー!」
「「「えいえいおー!」」」
太陽に私たちの手が重なって、綺麗に見える。
後から考えたら、これが大波乱の始まりだった――⋯。
校舎の影で、蒼衣と顔を寄せ合って話していた。
「やっぱり、黒崎はただ者じゃないよね。蒼衣。」
「魔界で言えば⋯人外の匂い、がする。」
驚く自分もいれば、やっぱり、と納得する自分もいる。
でも、危険なのは変わらない。
黒崎が、“秘薬”を知っていたら、私たちは危険だ。
その時、近くでガサッ、という音がした。
「っ⋯黒崎!」
「その呼び方、嫌なんだけど。レイって呼んで」
「楽しそうだな。桃香、蒼衣。」
「慣れなしく呼ぶな。私はお前と話すつもりはない。でも、ひとつだけ、聞く。お前は人間か?」
蒼衣特有の凍るような冷たい瞳がギラッと光った。
「それは言えないな。お前らの正体を教えてくれたら明かすこともないけどな。俺もそんな馬鹿じゃねぇし」
「悪魔、だよね。レイ」
これは、単なる私の勘だけど。
「は?」
顔に出た。「マジか」って顔。
「図星?レイ、私が膝痛めたのもレイの魔力でしょう?さっさと明かしなよ。レイは秘薬目当て?ね、これは本当?」
本当に図星だったみたい。レイが硬直しちゃったよ。
そして、レイの唇が動いた。
「マジだよ。俺は悪魔だし秘薬目当て。お前らも秘薬目当てか?人間じゃねぇよな」
「私たちが単純に教えるとでも?学校の怪しいもの、全部教えてよ。そしたら、教えてあげなくもない。」
情報収集は必要不可欠。情報は多かったほうがいい。
「保健室の先生、校長と裏で繋がってるみたいなんだ。人外なんじゃないかって俺、疑っててさ。」
学校を一通り見たときに気づいた、違和感。
それは、本当だったんだ。
「じゃあ、協力して。保健室の先生、ひとみの正体を暴く。それが達成できたなら、私たちの正体を教えてあげるよ。これで、どう?」
「桃香⋯!ひとみがエリート悪魔だった場合、どうするの!?」
「蒼衣⋯!?それは、大丈夫でしょ!どうにか、できるよ!やってみなきゃ分かんないじゃん!そして、大事なのは演技だよね〜どうやってひとみと仲良くするのかが、一番問題じゃない?蒼衣、作戦ある?」
蒼衣は顎に手を当てて考えた後、パッと顔を上げた。
それにしても、こんなに蒼衣が必死になってるの、久しぶりに見た。
「中休みとか、遊びに行こうよ。2人で。レイが行くと不自然でしょ。私と桃香で行く。その日のことをレイに報告すればいいでしょ。どう?桃香、レイ。」
一瞬レイが驚いた顔をした。
「蒼衣もレイって呼ぶんじゃん。まぁ、俺は賛成だけどね。報告してくれんならいいよ。俺は校長の方を探ってみる。」
「分かった。蒼衣、レイ、よろしくね。レイ、校長のほうが難易度はハード。頑張ってね!ていうか、ひとみ、ネッ友の人だったら、どうしよう⋯!」
私はma◯maっていう絵チャアプリでひとみっていうネッ友、いるんだよね⋯
もしそうならば、仲良くなるのは簡単かな⋯?
「桃香の知り合いだったら、情報収集は簡単かも⋯?知り合いなら、そこは桃香に任せよう。私は校長とひとみの関係を調べる。それでどう?」
私はレイと目線を合わせてからコクンとうなずいた。
「じゃあ、役割を整理しよう。桃香は保健室の先生、ひとみの正体を探る。レイは、校長先生の情報、正体を探る。私は校長とひとみの関係を探る。これでいいね?」
「私はOKだよ。知り合い、しかも親友並みに仲いいからね。ここは私に任せてよ。絶対成功して帰ってくる。」
「俺も大丈夫。校長とは仲いいんだ、俺。俺も成功して帰ってくる。」
「いくよ!みんな!」
私は、真ん中に手をかざした。
その上に蒼衣、レイが重ねて手をかざす。
「絶対成功させるぞー!」
「「「えいえいおー!」」」
太陽に私たちの手が重なって、綺麗に見える。
後から考えたら、これが大波乱の始まりだった――⋯。



