あの日の夜初めて手を繋いだ公園で二人、ベンチに座り何をどう伝えようか考える。
試合後ということであまり頭が回ってないが、答えると言ってしまったのでゆっくりゆっくりまとめていく。
「んん、先ずはえっと…、桃太は俺のことが好きなんだよな?」
「はい!もちろんです、そのつもりでいつも居たんですけど…」
「分かった分かった!分かってるから、ただの確認だ。それでえっと、俺もまあ考えたんだよ。で、考えた結果俺も桃太が好きだ」
「へ…?本当に?だってセンパイ…」
「た、態度がおかしかったのは謝る。好きだって自覚してからどう接していいのか分からなくなって、その…」
「ふふ、センパイいつも部活ばっかりだったから恋愛とか分からなそうですしね?」
「おっまえなあ…、まあそうだけどさ。そんな俺が好きだって言ってんだから特別なんだぞ?」
「ふへ、めちゃくちゃ嬉しいです!」
「そんでまあ、あの…、良かったら俺と…」
「す、ストップ!」
「へ?」
「それは僕から言わせてください、絶対にセンパイからはダメ!」
「お、おお…」
「センパイ、ずっと、ずーっと大好きです。良かったら僕とお付き合いしてください」
そう言いながら頭を下げられる。
嬉しいのに泣きそうな、込み上げるものがあり、返事もせずに桃太の頭へ抱きついた。
「ふえ?センパイ?」
「桃太、こちらこそよろしくお願いします」
「僕もセンパイにぎゅーってしていいですか?いいですよね?」
「き、聞かなくてもしていいに決まってるだろ」
「ふふ、はーい。センパイ、手出してください」
「ん?はい」
紀春が手を出すと、桃太はその手を握り
「恋人のぎゅーです」
「なんだそれ」
「特別ですなんですよ!」
なんて言うから笑ってしまった。
それからゆっくりゆっくり話をした。
「全国行けなかったな」
「悔しい?」
「めちゃくちゃ悔しい」
「じゃあ来年行きましょう!」
「そんな簡単に言うなよ」
「でもセンパイならきっと行けます」
「なんでそんなに言い切れるんだよ」
「だって僕の好きな人ですからね」
そういうと紀春が笑った。
全国には届かなかった。
でも、隣には桃太がいた。
だからきっと大丈夫だと思えた。
