見上げる恋


県大会最後、試合に勝っても負けてもいい。

いや、勝って桃太にきちんと伝えるんだ。

朝早くに公園に呼び出して話をする。

「桃太」
「はい?」
「大会終わったら答えるって言ったよな」

桃太が固まったのが分かる、俺は緊張で手が震えていた。

「待っててな」

そう言い、桃太の胸に手を当てる。

少し泣きそうになった桃太が

「頑張ってください、応援してます」

そう言ってくれたおかげで今日は全力を出せそうだ。

全国まであと一歩、みんなのために、自分のために、そして桃太のために。

一段と気合いを入れて、試合に望んだ。


結果は、惨敗だった。

全国の壁はあまりにも高かった、それでも俺達は頑張った。

悔しくないわけではないが、先輩達には申し訳なさも残る。

俺がもっとしっかりトス上げれてたら、そう思うがもう手遅れだ。

「クソッ…」
「……センパイ」
「桃太…」
「お疲れ様でした」
「ありがとう、情けない所見せたな。悪い」
「そんなことないです!センパイとってもかっこよかったです!」
「でも、俺は…!」

ギュッと桃太に抱きしめられる。

「センパイは十分頑張ってました、僕知ってますから」
「………」
「練習も頑張ってたのに、僕のことでも悩ませちゃって…」
「それは違う!俺が勝手に悩んでただけで」
「それでも、僕はもっとセンパイのために出来ることがあったのになって思ってます」
「桃太…」
「ねえ、センパイの答え聞かせてください。僕ずーっと待ってたんですよ?」
「そうだな、待たせたな」
「本当ですよ〜、全くもう!」