ケガをして引退したはずの僕を元ライバルはまだ諦めてくれない

 きのう今日と目まぐるしくあっという間に過ぎていった。
 うちの学校の出場種目は男女合わせて16種目。そのうちの14種目が終了した。

 由良さんたちと僕は男女で担当を分けて、選手たちの補助をした。
 トラブルなどでの時間変更とかのアクシデントなんかに対応するんだけど、順調に進んで助かった。

 招集時間とかも各自で把握しろって言ってるから最低限の声掛けで済んだ。
 けど、決勝進出したかどうか速攻確認して、次の招集時間を伝えなきゃいけなかった。
 100mなんて、予選、準決勝、決勝って、それも男女ともにあるから本人捕まえて伝えるのが、地味に大変で。
 選手も把握してるのはわかってるけど、招集に間に合わなくて失格とか笑えないもんな。

 始終バタバタしてると、この2日間リレーだけの出場だったからか、土屋が手伝ってくれた。
 申し訳ないって思いつつ、甘えてしまった。

 その土屋が走った4X100mリレー。
 見事ブロック地区予選進出を決めた。
 記録のために録画した動画を、ホテルに戻ってまたこっそり再生した。

 走る直前の土屋の目がゴールの先を睨みつけている。
 ゴールに飛び込んだ瞬間、全身で走りきった解放感に笑みを漏らした。

 何度見てもほんとかっこいいよ。

 女子のリレーは残念な結果になったけど、ハードルとか幅跳びとか、砲丸投げの三倉も進出し、ホテルでは喜びと悔し涙で複雑な空気に満ちていた。

 明日は最終日。
 残すは男子200mと110mハードル。
 土屋が200mで出場する。

 ホテル最後の夜、祈るように明日の準備をした。