ケガをして引退したはずの僕を元ライバルはまだ諦めてくれない

顧問
「水城です」

 職員室。高木先生のデスクに歩み寄った。

「おう、水城」

 先生がくるりと椅子を反転させ、僕を見上げる。

「僕……なにかやらかしました?」

 部活を辞めてから話す機会がなかった高木先生の突然の呼び出しに、ちょっとビビってる。
 裏腹に先生がにやりと笑った。

「この前、部活覗いてただろ?」
「あ、あぁ。はい」

 見られてたのか。
 そんなに近くまでいかなかったのに、バレてたか。

「脚の調子はどうだ?」
「問題ないです」
「それはよかった」

 そういって品定めするように顎を指でさすり様子を窺う。

「えっと。なんですか?」
「いやぁ、相談なんだが……」

 高木先生の口角がニッと引きあがった。

「マネージャーやらないか?」

 胸の奥でなにかが動いた。