ケガをして引退したはずの僕を元ライバルはまだ諦めてくれない

 冬の体育の授業。
 恒例の持久走。

「無理するなよ」

 体育教師の言葉に頷いてグラウンドを走り出す。
 競争じゃないし、自分のペースで走れるから問題ない。
 冷たい風が顔に纏わりつく。
 グラウンドを3周走っただけで、その風が心地よく感じる。

 めっきり運動とはかけ離れた生活してたからだろうな。
 5週目には息苦しくて、ちょっとショックなんだけど。

 でも、懐かしい感覚に久しぶりに満たされた気分だ。