第2話 ごめんあそばせ……
〇黄龍家の屋敷内
弘蓮の部屋の前の廊下をひとりで歩くかぐよ
(話があるって……弘蓮様の部屋を訪れるのなんて初めてだわ)
ピタ、と足を止めるかぐよ。
弘蓮の部屋の襖が少し開いており、廊下に花がいくつか落ちている。
嫌な予感がしながらも、かぐよは襖の隙間から部屋の中を見てしまった。
たくさんの花に囲まれて、弘蓮と桃華が抱き合い口づけている。
弘蓮「愛している、桃華」
桃華「嬉しいですわ、弘蓮様」
弘蓮「桃華の願い通り、かぐよとの婚約を破棄する許可は父上からもらえたから」
かぐよは驚き後ずさり、その拍子に花を踏んでしまい滑って尻もち。
かぐよの巫女服に花がつく。
弘蓮と桃華がかぐよに気づく。桃華は勝ち誇ったような笑み。
弘蓮は申し訳なさそうな表情。
弘蓮「今の話聞こえたかな、私は桃華と結婚する。かぐよとの婚約は破棄させてもらうことになった」
かぐよ「婚約を……破棄……」
次の瞬間、何かの気配を感じたかぐよはうしろを振り返る。
廊下に面した庭に、巨大な鋭い爪を持つ黒い妖魔がいた。
弘蓮「なんだこの巨大な妖魔は……こんなの見たことがない」
そう呟く弘蓮の顔は青褪めている。
かぐよ(この妖魔……四年前に狼族の村を襲った妖魔と同じ……?)
かぐよは庭におり、抜刀。
かぐよ「私が囮になります。弘蓮様は皆を避難させてください」
弘蓮「わ、わかった」
尻もちした際に巫女服にべっとりとついた花を掃う間もなく、かぐよは人のいない方へ走る。
かぐよ(体内の核を斬らなければならないのに……)
走りながら妖魔の攻撃をなんとか避けることしかできず、攻撃はできない。
かぐよ「あっ!」
転んでしまうかぐよ。
振り返ると、巨大な妖魔の鋭い爪が迫っていた。
かぐよ(もうダメだ。異能を使う間もない)
死を覚悟して目を瞑るかぐよ。だが何も起きない。おそるおそる目を開けると、嵐永が妖魔の爪を刀で受けとめていた。
嵐永「かぐよ殿! 逃げろ」
かぐよの頭に四年前の光景が浮かぶ。四年前もかぐよは嵐永にこの妖魔から助けられている。
かぐよ(四年前に傷を負った嵐永様では、勝てない)
嵐永「何をしている、早く行け!」
かぐよの目を見て必死に告げる嵐永。
かぐよ(この異能が他人に知られてしまうと、私は破滅する。だけど、するしかない……)
口を隠すように指先で覆い、涙目で頬を赤く染めるかぐよ。
普段見せない恥じらうようなかぐよの表情に、嵐永の胸がドキッと跳ねる。
かぐよ「ごめんあそばせ……」
かぐよはお尻から、ぷぅぅうう、と放屁した。
〇黄龍家の屋敷内
弘蓮の部屋の前の廊下をひとりで歩くかぐよ
(話があるって……弘蓮様の部屋を訪れるのなんて初めてだわ)
ピタ、と足を止めるかぐよ。
弘蓮の部屋の襖が少し開いており、廊下に花がいくつか落ちている。
嫌な予感がしながらも、かぐよは襖の隙間から部屋の中を見てしまった。
たくさんの花に囲まれて、弘蓮と桃華が抱き合い口づけている。
弘蓮「愛している、桃華」
桃華「嬉しいですわ、弘蓮様」
弘蓮「桃華の願い通り、かぐよとの婚約を破棄する許可は父上からもらえたから」
かぐよは驚き後ずさり、その拍子に花を踏んでしまい滑って尻もち。
かぐよの巫女服に花がつく。
弘蓮と桃華がかぐよに気づく。桃華は勝ち誇ったような笑み。
弘蓮は申し訳なさそうな表情。
弘蓮「今の話聞こえたかな、私は桃華と結婚する。かぐよとの婚約は破棄させてもらうことになった」
かぐよ「婚約を……破棄……」
次の瞬間、何かの気配を感じたかぐよはうしろを振り返る。
廊下に面した庭に、巨大な鋭い爪を持つ黒い妖魔がいた。
弘蓮「なんだこの巨大な妖魔は……こんなの見たことがない」
そう呟く弘蓮の顔は青褪めている。
かぐよ(この妖魔……四年前に狼族の村を襲った妖魔と同じ……?)
かぐよは庭におり、抜刀。
かぐよ「私が囮になります。弘蓮様は皆を避難させてください」
弘蓮「わ、わかった」
尻もちした際に巫女服にべっとりとついた花を掃う間もなく、かぐよは人のいない方へ走る。
かぐよ(体内の核を斬らなければならないのに……)
走りながら妖魔の攻撃をなんとか避けることしかできず、攻撃はできない。
かぐよ「あっ!」
転んでしまうかぐよ。
振り返ると、巨大な妖魔の鋭い爪が迫っていた。
かぐよ(もうダメだ。異能を使う間もない)
死を覚悟して目を瞑るかぐよ。だが何も起きない。おそるおそる目を開けると、嵐永が妖魔の爪を刀で受けとめていた。
嵐永「かぐよ殿! 逃げろ」
かぐよの頭に四年前の光景が浮かぶ。四年前もかぐよは嵐永にこの妖魔から助けられている。
かぐよ(四年前に傷を負った嵐永様では、勝てない)
嵐永「何をしている、早く行け!」
かぐよの目を見て必死に告げる嵐永。
かぐよ(この異能が他人に知られてしまうと、私は破滅する。だけど、するしかない……)
口を隠すように指先で覆い、涙目で頬を赤く染めるかぐよ。
普段見せない恥じらうようなかぐよの表情に、嵐永の胸がドキッと跳ねる。
かぐよ「ごめんあそばせ……」
かぐよはお尻から、ぷぅぅうう、と放屁した。

