「うーん、なかなかほしいアイテム出ないなー」
薄暗い部屋の中からカタカタとキーボードをたたく一人の少女の声が聞こえる。
声の主は、今年で高校2年生になる姫乃優《ひめのゆう》である。今はもう学校には通ってない引きこもりゲーマーだ。
優は今流行りのオンラインゲームでモンスターが落とすレアドロップのアイテムを狙っていた。
「あー疲れた、今何時だ?」
両手を上に挙げ伸びをしながら時計を見ると針は午前8時を指していた。締め切ったカーテンからは、かすかに陽の光が差し込んでいる。
「もうそんなに時間がたったんだ、さすがに低ドロップアイテムの耐久はちょっと疲れるな」
そう言いながら近くのペットボトルに手を伸ばした。しかしペットボトルの中には何も入っていなかった。
「なんだもうなくなってたのか。はぁ、しょうがないコンビニまで買いに行くか」
優はそうため息をつきながら玄関の扉を開けた。外には通学中の学生や通勤中のサラリーマンの姿があった。
「あぁ、この時間に外へ出たのが悪かったか見たくないものを見てしまった。ちょっと遠回りになるけどこっちから行こう」
優は人気の少ない場所を選び進んだ。すると、目の前に一匹の白い猫が現れた。
「なんでこんなんところに猫が?まぁいいか可愛いし」
優はしゃがんで猫を眺めていた。
「にゃーん」
白い猫がついてきてほしそうに優の前を少し歩き振り向いた。
「ついてきてほしいのかな?まぁ、どうせ暇だしついて行ってみるか」
優は猫の後ろをついていくことにした。猫は細い路地の裏や家の塀の上、草木が生い茂る場所を後ろからついてくる優の姿を確認しながら歩いた。
「猫ってなんでこんな道歩くの?もう少し人間であるわたしに配慮してくれないかな」
言葉の通じない猫に文句を言いながらも優は後をつけていく。しかし、道が複雑になるにつれだんだん猫の姿が見えなくなってきた。
「あれ、どこに行ったあの白い猫?ってかここどこだ?」
そこはあたり一面花の咲いたとても幻想的な場所だった。その奥には、翠色《すいしょく》の髪が特徴的な少年がきれいな青空を見上げながらたたずんでいた。
「あの、ここって……」
声をかけられた少年は、ゆっくり振り返り笑顔で答える。
「ここは、僕が作った場所さ。きれいだろ」
「作ったって、あなた何者なの」
優は困惑した表情で問いかける。
「僕はフロラス、神様だ」
「神様?本当に?」
「本当さ、じゃあ試しに君の見た目を変えて見せよう。好きな服装を言ってみるといい」
「そこまで言うならわたしがゲームで使ってるキャラの魔法使いの見た目にしてよ」
パチンッとフロラスが指を鳴らすと優は光に包まれ、一瞬にして魔法使いの姿に変化した。
「本当に見た目変わっちゃたよ、しかもちゃんと武器の杖も持ってるし」
「どうだい信じてくれたかい」
「う~ん、この不思議な力、信じざる得ないか。でも1回でいいからゲームのキャラみたいになってみたかったんだよね。ねぇ、わたしも魔法とか使えるようにならないの」
優は少し興奮気味にフロラスへ問いかける。
「使えるとも、まぁ君の創造力次第だけどね。試しに自分が杖から火の魔法を出すイメージをして杖に力を込めるんだ」
「う、うんわかったやってみる」
わたしはゲームでよく使う炎魔法をイメージしてを杖に力を入れる。すると、杖の先が赤く光りすさまじい勢いでフロラスに向かって炎が放たれた。
「ふーん、ここまで強力な炎魔法を出せるとは正直驚いたよ」
フロラスは自身の手から水を作り出し優の放った炎魔法をかき消した。優は何が起こったのか分からないような驚いた表情のまま硬直していた。
「おーい大丈夫かい?」
「だ、だいじょうぶ。でもしばらく動けそうもないかも」
「アハハッ、それじゃあ休憩がてら僕の質問に答えてよ」
フロラスはイスと机を創り出し優に座るように指示した。わたしは頷き椅子に座る、机の上にはハーブティーとクッキーが置かれていた。
「それじゃあ1つ目の質問だ、君は今、夢を持ってるかい?」
「いや今は持ってないね、夢なんてどうせ叶わないし」
「次の質問だ、もし夢が叶う、そんな世界があるならその世界にいきたいかい?」
「そうだねそんな世界があるなら是非行きたいよ」
もし、そんな世界があったら今のわたしは救われるのだろうか。
「最後の質問だ、君はこの世に未練はあるかい?」
「うーん無いかな、周りから否定しかされないしこのまま生きても無駄なだけだ」
「そうかい、それじゃあ後ろを振り向くといい」
振り向いた先には、ポツンと一枚の扉があった。
「その扉はこの世界とは別の世界につながる扉だ。この扉をくぐるともうこの世界には帰ってくる事はできない」
フロラスは真面目な表情で扉について話した。
この世界とは別の世界…… つまり異世界への扉。これをくぐれば待っているのは夢の異世界生活!そんな世界が待っている。今の世界に戻れなくてもまぁ思い残してることもないしこの世界より面白いのは間違いないだろう。
「わたし、この扉の先の世界に行くよこの世界に未練なんてないしね」
「君ならそう言うと思ったよ。それじゃあ扉をくぐる前に、君にスキルを与えよう」
優の足元に魔法陣が展開されフロラスからスキルが付与された。付与されたスキルは『職業変更《ジョブチェンジ》』というスキルだった。
「このスキルはね、魔法使いから戦士になったり料理人になったりできるんだ。つまるところ自分の今なりたい職業《ジョブ》の能力を手に入れることができるスキルだ。おまけに見た目まで変わるよ」
「そんな都合の良すぎるスキル貰っていいの」
「うん、君にはこれから行く世界を楽しんでほしいからね」
「ありがとう!それじゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい。君にとって素敵な世界でありますように」
フロラスから貰ったスキルを手に入れた女子高生もとい魔法使いの姫乃優は、扉を開き新たな世界への一歩を踏み出した。扉の先は草木が生い茂る山の中で振り返ると誰も住んでない小さな一軒家があり近くにはきれいな川が流れていた。
「ここが異世界、これからわたしの新しい生活が始まるのか楽しみだな」
優はこれから始まる異世界の生活に胸を膨らませ、始まりの一歩を踏み出した。
薄暗い部屋の中からカタカタとキーボードをたたく一人の少女の声が聞こえる。
声の主は、今年で高校2年生になる姫乃優《ひめのゆう》である。今はもう学校には通ってない引きこもりゲーマーだ。
優は今流行りのオンラインゲームでモンスターが落とすレアドロップのアイテムを狙っていた。
「あー疲れた、今何時だ?」
両手を上に挙げ伸びをしながら時計を見ると針は午前8時を指していた。締め切ったカーテンからは、かすかに陽の光が差し込んでいる。
「もうそんなに時間がたったんだ、さすがに低ドロップアイテムの耐久はちょっと疲れるな」
そう言いながら近くのペットボトルに手を伸ばした。しかしペットボトルの中には何も入っていなかった。
「なんだもうなくなってたのか。はぁ、しょうがないコンビニまで買いに行くか」
優はそうため息をつきながら玄関の扉を開けた。外には通学中の学生や通勤中のサラリーマンの姿があった。
「あぁ、この時間に外へ出たのが悪かったか見たくないものを見てしまった。ちょっと遠回りになるけどこっちから行こう」
優は人気の少ない場所を選び進んだ。すると、目の前に一匹の白い猫が現れた。
「なんでこんなんところに猫が?まぁいいか可愛いし」
優はしゃがんで猫を眺めていた。
「にゃーん」
白い猫がついてきてほしそうに優の前を少し歩き振り向いた。
「ついてきてほしいのかな?まぁ、どうせ暇だしついて行ってみるか」
優は猫の後ろをついていくことにした。猫は細い路地の裏や家の塀の上、草木が生い茂る場所を後ろからついてくる優の姿を確認しながら歩いた。
「猫ってなんでこんな道歩くの?もう少し人間であるわたしに配慮してくれないかな」
言葉の通じない猫に文句を言いながらも優は後をつけていく。しかし、道が複雑になるにつれだんだん猫の姿が見えなくなってきた。
「あれ、どこに行ったあの白い猫?ってかここどこだ?」
そこはあたり一面花の咲いたとても幻想的な場所だった。その奥には、翠色《すいしょく》の髪が特徴的な少年がきれいな青空を見上げながらたたずんでいた。
「あの、ここって……」
声をかけられた少年は、ゆっくり振り返り笑顔で答える。
「ここは、僕が作った場所さ。きれいだろ」
「作ったって、あなた何者なの」
優は困惑した表情で問いかける。
「僕はフロラス、神様だ」
「神様?本当に?」
「本当さ、じゃあ試しに君の見た目を変えて見せよう。好きな服装を言ってみるといい」
「そこまで言うならわたしがゲームで使ってるキャラの魔法使いの見た目にしてよ」
パチンッとフロラスが指を鳴らすと優は光に包まれ、一瞬にして魔法使いの姿に変化した。
「本当に見た目変わっちゃたよ、しかもちゃんと武器の杖も持ってるし」
「どうだい信じてくれたかい」
「う~ん、この不思議な力、信じざる得ないか。でも1回でいいからゲームのキャラみたいになってみたかったんだよね。ねぇ、わたしも魔法とか使えるようにならないの」
優は少し興奮気味にフロラスへ問いかける。
「使えるとも、まぁ君の創造力次第だけどね。試しに自分が杖から火の魔法を出すイメージをして杖に力を込めるんだ」
「う、うんわかったやってみる」
わたしはゲームでよく使う炎魔法をイメージしてを杖に力を入れる。すると、杖の先が赤く光りすさまじい勢いでフロラスに向かって炎が放たれた。
「ふーん、ここまで強力な炎魔法を出せるとは正直驚いたよ」
フロラスは自身の手から水を作り出し優の放った炎魔法をかき消した。優は何が起こったのか分からないような驚いた表情のまま硬直していた。
「おーい大丈夫かい?」
「だ、だいじょうぶ。でもしばらく動けそうもないかも」
「アハハッ、それじゃあ休憩がてら僕の質問に答えてよ」
フロラスはイスと机を創り出し優に座るように指示した。わたしは頷き椅子に座る、机の上にはハーブティーとクッキーが置かれていた。
「それじゃあ1つ目の質問だ、君は今、夢を持ってるかい?」
「いや今は持ってないね、夢なんてどうせ叶わないし」
「次の質問だ、もし夢が叶う、そんな世界があるならその世界にいきたいかい?」
「そうだねそんな世界があるなら是非行きたいよ」
もし、そんな世界があったら今のわたしは救われるのだろうか。
「最後の質問だ、君はこの世に未練はあるかい?」
「うーん無いかな、周りから否定しかされないしこのまま生きても無駄なだけだ」
「そうかい、それじゃあ後ろを振り向くといい」
振り向いた先には、ポツンと一枚の扉があった。
「その扉はこの世界とは別の世界につながる扉だ。この扉をくぐるともうこの世界には帰ってくる事はできない」
フロラスは真面目な表情で扉について話した。
この世界とは別の世界…… つまり異世界への扉。これをくぐれば待っているのは夢の異世界生活!そんな世界が待っている。今の世界に戻れなくてもまぁ思い残してることもないしこの世界より面白いのは間違いないだろう。
「わたし、この扉の先の世界に行くよこの世界に未練なんてないしね」
「君ならそう言うと思ったよ。それじゃあ扉をくぐる前に、君にスキルを与えよう」
優の足元に魔法陣が展開されフロラスからスキルが付与された。付与されたスキルは『職業変更《ジョブチェンジ》』というスキルだった。
「このスキルはね、魔法使いから戦士になったり料理人になったりできるんだ。つまるところ自分の今なりたい職業《ジョブ》の能力を手に入れることができるスキルだ。おまけに見た目まで変わるよ」
「そんな都合の良すぎるスキル貰っていいの」
「うん、君にはこれから行く世界を楽しんでほしいからね」
「ありがとう!それじゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい。君にとって素敵な世界でありますように」
フロラスから貰ったスキルを手に入れた女子高生もとい魔法使いの姫乃優は、扉を開き新たな世界への一歩を踏み出した。扉の先は草木が生い茂る山の中で振り返ると誰も住んでない小さな一軒家があり近くにはきれいな川が流れていた。
「ここが異世界、これからわたしの新しい生活が始まるのか楽しみだな」
優はこれから始まる異世界の生活に胸を膨らませ、始まりの一歩を踏み出した。
