肩が凝ってたので転生させました

 気が付けば、白い世界に俺は漂っていた。

 ——俺は、死んだのか?
 
 その問いに答えるかのように、突然現れた神が言った。
 
「問答無用で転生させるんじゃが、スキル何が良い?」
「問答無用なのかよ!」

 あまりの言葉につい突っ込んでしまったが、どうやら本当に死んでしまったらしい。

 俺は、先ほどまで生きていた世界のことを考える。
 
 何も続かない人生だった。
 よく言えば広く浅く。悪く言えば飽き性。

 だから――。

「何かを成し遂げるスキルが欲しい」

「そうかそうか。ならば丁度よいスキルがある。次の世界は魔法が飛び交うファンタジー世界じゃ。そこで頑張るのじゃぞ」

 神様の指が俺の肩を突く。

「うっ――ヒデブッ」

 秘孔を突かれた俺は文字通り爆散し、そのまま異世界へ転生した。
 
 身体が爆散したことには驚いたが、この世界で再構成させるためと思えば仕方ないのかもしれない。
 というか、そのシステム最悪だからやめろ、神。

 そして、目覚めたそこは、見渡す限りのファンタジー世界。
 空にはドラゴンらしき影まで飛んでいる。

 ……普通に怖いんだが?

 ともかく、俺は神に貰ったスキルでここに金字塔を立てる。知らんけど。

 そのために貰ったスキルは一体なんだろう。

 いそいそとステータスをオープンすると、そこにはきちんと神から貰ったスキルが、仰々しく七色に輝く文字で書かれていた。
 ゲーミングスキルやめろ、神。

 チカチカと瞬くスキル名を確認する。

 『スキル・凝り性』

 ――変なスキルだな。
 けど、前世では飽き性だった俺には似合いのスキルかもしれない。

 これで、一つのことに集中して、冒険者ギルドではS級になったり、鍛冶ギルドではマスターになったりできるのかもしれない。

 そう思うと、わくわくが止まらない。

 神様、ありがとう。
 俺はこの世界で強く生きて――。

 その瞬間、ゲーミングスキルがパパっと点滅し、今まで光っていて見えなかった項目が目に留まった。

『スキル・凝り性 効能・肩凝り』

 ふざけんな、神! てめぇ!
 肩凝り貰ってこの世界でどう生きていけばいいんだよぉぉ!!

 俺は天に向かって悲鳴ともとれる大声で吠えた。


 そして数年後——この世界に伝説級の剣を造りだすS級冒険者が現れるのはまた別のお話。
 なお彼は終始、肩凝りに悩んでいたとも言われている。


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今日はあまりに肩が凝っていたので、つい変な掌編を書いてしまいました……。

同じ思いをしている人に届け。

(届かなくていい)