――『おかあさん、まりなちゃんままとなにをおはなししてたのー?』
お母さん1人がそこに残された時、私は無意識のうちに隠れていた遊具の陰から出て、小走りでお母さんの元へ行った。
下を向いていたお母さんはハッとしたように私を見る。
それからしゃがみこんで、私と同じ目線になるお母さん。
『優里……聞いていたの?』
『うんっ!おはなししていたことはよくわからなかったけど……まりなちゃんまま、プンプンしてた?』
『え?そんなことないわよ。…お母さんが、悪かったから』
『ん?おかあさん、なにかいったー?』
『あっ……なんでも、ないわ。ねぇ優里』
お母さんはいつもと同じ、全てを包み込むような優しい笑みを浮かべて私の頭を撫でた。
『優里は、必ず出会う人に優しくしてね。…優里なら、私みたいに失敗しないわよね』
最後の言葉の意味が、私には分からなかった。

