1年3組の教室は、一見するといつも通りの光景が広がっている。
二軍は1人か、もしくは同じカースト内の仲が良い子とおしゃべりしている。
三軍もそれは同様だった。
しかし、みんな気づいているだろう。
1年生の他のクラスもふくめ、上級生も登校していないことを。
実際、二軍の石井和奏と時枝美怜がそのことについて話していた。
「ねぇ美怜ちゃん、今日……やけに人いなくない?」
「そうだね、どうしたんだろう」
「な、なんだか嫌な予感がする……怖い」
「落ち着いて和奏」
カーストは同じなものの、美怜が二軍の上層で和奏は下層という立ち位置にいる2人。
階層は違うけれど仲が良い唯一のペアの会話に、私は心の中で相槌を打つ。
私は三軍の下層――つまりカースト最底辺。
同じ三軍内の子とも話したらいけないのに、二軍の2人の会話に気安く入るなんて、許されたものではないんだ。
ただ単に、仲良しペアの中にカースト最底辺が加わる勇気がないだけかもしれないけれど……。

