答えはなんですカ?



『みんな、注目!』

下校の時間になった時、突如として葉音が教卓の前に出て声を上げた。

高校では席が少し離れ、遅刻は免れたもののギリギリに登校したすみれに話しかけられなかったので、ようやく声をかけようとした矢先の出来事。

私は浮かせた腰を沈め、椅子に再び座った。

声を上げた葉音は、中学校は別だったものの明らかに自分とは住む世界が違う人間だと分かったから。

信じられないほど艷やかな黒髪をポニーテルにしている葉音は、少し幼気もあるものの十分すぎるほど整っている顔で、だれがどう見ても一軍だ。

そんな彼女は教室が静かになったのを確認し、ポニーテルを揺らして後ろの黒板を向く。

白いチョークでなにかを書いていく葉音の後ろ姿よりも、私は当時左前の席だったすみれの後ろ姿を見ていた。

すみれと、早く話したい。

すみれは真面目な性格なので葉音がなにかを書いている黒板をみていたが、彼女と私は同じ気持ちだろうと信じて疑わなかった。

しかし葉音がなにかを黒板に書き終えて、『これ見て!』と声を上げるという言動が、思い返すと地獄の扉が解き放たれた瞬間だった。