「あ、あの――」
――「って、ことがあってさ!まじヤバくない!?」
しかし私のか細い声は、校門のほうから聞こえてきたここにも届く声に引っ込んでしまう。
私と純は、ほとんど同時に声がしたほうを向いた。
……一軍のクラスメイト3人が、こちらへ歩いて来ている。
さっきの声の主である、艷やかな黒髪を長いポニーテルにした岩間葉音と視線が絡みそうになり、私はあわてて顔をそらす。
純とは目を合わせられるのに、相手が中層だけど一軍である葉音だとどうしても無理だ。
その時、純が動いた。
私の元へ足を動かす彼女。
え……もしかして、葉音たちの前でも話しかけてくれるの?
しかし、私のかすかな希望はすぐに散った。
純は真っ直ぐ前を向いたまま、私の横を通り過ぎた。
そして、1人へ昇降口へと入って行ったのだった。

