まるで緊張感のない、葉音の声。
とわとサラの指が1番に動いた。
他のみんなも、ぽつぽつと指を動かす。
少しうつむきながら指差ししている人もいて、罪悪感はあるけど自分が死にたくない――そういう気持ちが手に取るように分かった。
しかし、罪悪感があるとはいえ指差ししているのは事実。
――その指を、葉音の指示で私に向けているのも。
教室のどこを見ても、ほとんどのクラスメイトが指差ししている。
その先に私がいるのを見て、発狂してしまいそうなのをなんとか抑えた。
「あっ。あたしも指差ししなきゃ。てか……純はなんで、手降ろしたままなわけ?優里も」
冷たい声で名指しされた2人の肩が、びくっと跳ねた。
葉音は、すぐ目の前にいる純に向けて刺すような視線を送る。
純の瞳の瞳孔は、いつの間にかゆらゆらと滲んでいて……潤んでいる。
……涙?
そう分かった時には、葉音の肩越しに純と目が合っていた。
純……。
私を指差さなければ、純が死ぬことになるかもしれない。
だから手を挙げて、と言いたくても真逆の本心が邪魔をする。
だって純が挙手したら、私を殺す行為と同じだ。
ぐちゃぐちゃな気持ちが渦巻いていると、純は下を向いて――指を向けた。

