「……え?」
私の声は、岩間葉音の悲鳴と彼女を容赦なく焼く電流の音でかき消された。
石井和奏は――私など、見ていなかった。
もうピクリとも動かない葉音を、憎しみのこもった目で睨みつけていた。
「勝手なこと言わないで……勝手なこと言わないで……!」
その目が潤んでいることに、私は今さら気づく。
「あ、あの――」
「たとえ偽りだとしても、美怜ちゃんは正義感があって優しい子なの……!私が受け取ったものを信じて、なにがいけないの!?」
瞬間、声を大にしてそう言った和奏。
私に向けられた言葉ではないと思うが、彼女に歩み寄ろうとした足がピタリと止まる。
「美怜ちゃんを否定するなっ!!」
そして和奏の頬に一筋の涙が伝うと同時に、彼女は走り出していた。

