「ずっと思ってたんだけどさ」
しかし私の心情なんてつゆ知らず、そう前置きを言うなり、美怜の口角がぐいっと上がる。
「葉音。あたしたち、似てると思わない?お互いにただ1つのものが正しいと信じてきた。でもさ、似てるようでいて正反対なんだよね、実際は」
「……は?」
その言葉の意味があまり分からず、眉をひそめる。
美怜の言う1つのもの――あたしなら、『一軍トップ』だ。
私はずっと、正しい生き方は一軍トップになることだと信じてきた。
小学校時代に一軍トップだった美怜だって、私と同じなんじゃないの?
しかし美怜は、私のそんな疑問を見抜いたのか鼻で笑った。
「さっきの話聞くに、葉音はさ、一軍トップになることが学校での全てなんでしょ?弱肉強食とかもあるけど、それでも一軍トップのほうが遥かに重要」
「……まぁ、その通りだけど」
「でも、あたしは違うんだよね。あたしにとっては、一軍トップにならなくても強者でい続けることが重要なわけ」
「…なにそれ、意味分かんない。一軍トップが強者でしょ?」
「葉音はそう言うと思った。だからあたしたちは正反対なんだし。でも、まぁいいや。…葉音、見せてあげる。あたしが強者なんだってね」

