「これでもう、終わり?なら指差しをする時間にしない?」
「…言われなくても、そのつもり」
私はこっちがムカつくほどなんてことない笑みを浮かべる美怜を睨むと、指の先に彼女に向けた。
なんの意味もないけど、無意識のうちに指に力を込めていた。
つられるように、二軍中層の秋葉凛菜も美怜を指差しする。
「なっ……、凛菜ちゃん、なんで美怜ちゃんを!?」
すると、和奏が信じられないとばかりの表情で凛菜に詰め寄った。
そんな彼女を止めたのは、眉1つ動かさない美怜だ。
「和奏。落ち着いて、秋葉さんに怒らなくたっていいから」
「で、でもこのままじゃ美怜ちゃんがっ」
「別にあたし、死んでもいいしだいじょうぶ」
「なにがだいじょうぶなのっ、美怜ちゃんが死んだら私――!!」
「和奏」
瞬間、美怜の有無を言わせない平坦な声色が投下された。
怒鳴っているわけじゃない。
なのにどこか威圧感があるその声色に、和奏はビクッとしたように肩を震わせた。
そのままうつむいてしまう彼女を視界に捉えつつ、私をも思わず声を出してしまいそうになった。
「うるさいなぁ。さっさとだれかを指差ししてくんない」
「…っ、あ……う、うんっ」
明らかに縮み上がりながら、和奏は自分自身に小刻みに揺れる指を差した。
瞬間、美怜は『よくできました』と言わんばかりの胡散臭い笑顔を作った。
それが和奏に向けられ、次になにも言葉を発さないまま私に向き直る。

