「……え……」
和奏は小さくつぶやいた。
水面に落とされた小石のように、話終えて静かになった教室に響く。
だが、口を開かない美怜の隣で和奏は反論してきた。
「な、なにそれ、嘘つかないで!美怜ちゃんは、悪口言ったりする子じゃないっ。むしろ、チビって悪口言われてた私を庇ってくれる優しい子だよ!?」
「それがなに?和奏、なんで全部演技だって可能性を考えないわけ。悪口言われたのを庇ったとか、どうせ本心からの行動じゃないくせに。そうでしょ、美怜?」
疑問形のように聞きながらも、私は答えを分かっていた。
そして案の定、
「美怜ちゃん……違うよね?全部、岩間さんの作り話だよね――」
「作り話なんかじゃない。葉音の言ってることは、全部正しいことだよ」
和奏のフォローをバッサリ切り捨てるように、美怜が言う。
そして美怜は、驚いた顔を隠せていない和奏なんかに見向きもせず私に一歩近づいた。

