空には太陽が二つ。
私は灼熱の日差しを大きな岩陰で避けていた。
パーソナルデバイスを操作し、航海日誌を記録する。
「宇宙暦四〇二六年九月十七日。エウロパ小隊副隊長、サ=クラ。奇襲攻撃により撃墜され、不明の砂漠性の星に不時着した。空気の組成や生命体の有無は不明。これから、生存に向けた活動を開始する」
私は周辺の調査のために歩き出した。
すると、岩陰からヒューマノイドタイプの生命体らしきものが現れた。私は警戒して身構える。
体長は170センチ程度。私の星の人間よりも背が高い。
その未知の生命体は、こちらに大きな笑顔を向けた。ぱあっと、花が飛ぶような笑顔。
……可愛いな。
どうやら、敵意はなさそうだ。
私は手を上げて手のひらを見せ、攻撃の意思がないことを示した。
突然、生命体は勢いよく腕をこちらに長く伸ばした。それは比喩ではなく、まるでゴム紐のように腕をしならせて伸ばしてきた。
しまった! 油断した!
私は慌ててビームガンを手に取って撃った。ジグザグのビームが飛び出す。おかしいな、ビームは物理的には直線で飛ぶものなのに。
しかし、ビームは簡単に避けられてしまった。
長い腕に巻き付かれ、私は身動きが取れなくなった。決して強い力ではないものの、なぜか振り払うことができない。
そして、生命体は私を引っ張り、可愛い笑顔のままで大きな口をあんぐりと開けた。
「く、喰われる!」
『喰うのではない』
生命体は笑顔を崩さないまま、テレパシーで私の脳内に直接語りかけてきた。
『サ=クラよ、我はお前を体内に取り込み、消化し、栄養として吸収するのだ』
「それを一般的には喰うって言うんだよ!」
『お前は、我の血と成り体内を巡る。お前は我の一部となる。つまり、我の一部はお前になり、我はお前の一部になるということだ』
禅問答のような回りくどい話を聞いて、私は怪訝な顔で首をかしげた。
『まあ、もっと簡単に言うと、我々は一つになるということだ』
ほう。
「私たちが、一つになる……」
不思議なことに、それは嫌な気分ではなかった。
私を捉えているこの長い腕も、優しく包み込むように巻き付いている。決して、私を傷つけようとはしていない。
なんだろう、この気持ち。
『とにかく、そういうわけだ。では』
生命体は口を大きく開けた。私は腕の中から逃げられない。
いや、やっぱり、喰われるのは嫌だ!
「た、助けて、誰か! いやぁぁぁ!」
*
私はベッドで目を覚ました。全身に汗をかいている。
「夢か……」
私はゆっくりと息を吸って吐いた。
変な夢だった。最近、SF映画をよく見るせいかも。
チャーリーは何度かうちにやってきて、SF映画のシリーズを一緒に見た。
相変わらず座椅子は一つしかなく、二人で折り重なるように座るのが習慣になっていた。
スマホを開くと、まだ四時だった。
私は布団に入り直し、夢の続きを見ようと目を閉じた。
私は灼熱の日差しを大きな岩陰で避けていた。
パーソナルデバイスを操作し、航海日誌を記録する。
「宇宙暦四〇二六年九月十七日。エウロパ小隊副隊長、サ=クラ。奇襲攻撃により撃墜され、不明の砂漠性の星に不時着した。空気の組成や生命体の有無は不明。これから、生存に向けた活動を開始する」
私は周辺の調査のために歩き出した。
すると、岩陰からヒューマノイドタイプの生命体らしきものが現れた。私は警戒して身構える。
体長は170センチ程度。私の星の人間よりも背が高い。
その未知の生命体は、こちらに大きな笑顔を向けた。ぱあっと、花が飛ぶような笑顔。
……可愛いな。
どうやら、敵意はなさそうだ。
私は手を上げて手のひらを見せ、攻撃の意思がないことを示した。
突然、生命体は勢いよく腕をこちらに長く伸ばした。それは比喩ではなく、まるでゴム紐のように腕をしならせて伸ばしてきた。
しまった! 油断した!
私は慌ててビームガンを手に取って撃った。ジグザグのビームが飛び出す。おかしいな、ビームは物理的には直線で飛ぶものなのに。
しかし、ビームは簡単に避けられてしまった。
長い腕に巻き付かれ、私は身動きが取れなくなった。決して強い力ではないものの、なぜか振り払うことができない。
そして、生命体は私を引っ張り、可愛い笑顔のままで大きな口をあんぐりと開けた。
「く、喰われる!」
『喰うのではない』
生命体は笑顔を崩さないまま、テレパシーで私の脳内に直接語りかけてきた。
『サ=クラよ、我はお前を体内に取り込み、消化し、栄養として吸収するのだ』
「それを一般的には喰うって言うんだよ!」
『お前は、我の血と成り体内を巡る。お前は我の一部となる。つまり、我の一部はお前になり、我はお前の一部になるということだ』
禅問答のような回りくどい話を聞いて、私は怪訝な顔で首をかしげた。
『まあ、もっと簡単に言うと、我々は一つになるということだ』
ほう。
「私たちが、一つになる……」
不思議なことに、それは嫌な気分ではなかった。
私を捉えているこの長い腕も、優しく包み込むように巻き付いている。決して、私を傷つけようとはしていない。
なんだろう、この気持ち。
『とにかく、そういうわけだ。では』
生命体は口を大きく開けた。私は腕の中から逃げられない。
いや、やっぱり、喰われるのは嫌だ!
「た、助けて、誰か! いやぁぁぁ!」
*
私はベッドで目を覚ました。全身に汗をかいている。
「夢か……」
私はゆっくりと息を吸って吐いた。
変な夢だった。最近、SF映画をよく見るせいかも。
チャーリーは何度かうちにやってきて、SF映画のシリーズを一緒に見た。
相変わらず座椅子は一つしかなく、二人で折り重なるように座るのが習慣になっていた。
スマホを開くと、まだ四時だった。
私は布団に入り直し、夢の続きを見ようと目を閉じた。



