欠落を編む


9.ズレた日常


「うるさいなぁ早く出てけって言ってるの!」
「 だれよあんた あんたなんかしらない ! 」

どん、と思い切り突き飛ばされた感覚がした

『 出てけ 』

『 あんたなんかしらない 』

愛する娘から半永久的にその言葉を浴びせ続けられるのは
父親として、つらい。
心の奥深くに鋭く刺さる刃のよう。

毎日考える。
どうすれば病気の進行を遅らせられるのだろうか。

千歳はあの日から
俺のことをヘルパーさんと呼ぶようになった
千歳の中では父である俺が歳で動けなくなり
母さんだけじゃどうしようもないから
ヘルパーさんを呼んだと思っているらしい

そんなことない
そんなことないんだ。

俺は認知症じゃないんだ

記憶が消えていくのは、

千歳.........