詩織への気持ちに気付いてしまった日和は、改めて否定的な考えを引っ張り出そうとするも……頭の中では答えは決まっていて。
混乱する頭を整理したくて、日和はコンビニに行くふりをして散歩に行くことにした。
「日和?」
玄関で靴を履いていると、お母さんに声をかけられた。
「アイス食べたくなっちゃって」
「明日で良くない?もう夜よ?」
「今食べたいのー」
「危ないから止めなさい」
お母さんに見つかり、咎められていると部活終わりの千歳がタイミング良く帰宅する。
「ただいまー……ってどうしたの?」
「日和がコンビニでアイス食べたいんだって、夜だから危ないって言ってるのに」
「だったら、僕が着いて行くよ。それならまだマシでしょ?」
「そうねぇ……だったら、お願いするわ……くれぐれも気をつけてよね」
「はい」
「はーい」
こうして家を出てコンビニへと向かう中、日和は千歳に詩織への気持ちを打ち明けることにした。
だが、千歳からしてみれば自分だけを好きで居て欲しいと思うのは当然のことだし、第一同性のしかも親友だと思っている子が恋愛の意味での好きなのだと言われたら複雑な気持ちになるのは容易に想像出来た。
「日和ちゃん?」
「……はい?」
「どうかした?ぼんやりしてるけど……」
顔を覗き込んで来ようとする千歳から目を逸らし、日和は言い放つ。
「なんでもないです……!」
千歳は何か言いたげな表情をして、言葉を飲み込んでくれた。
コンビニから帰って来ると、既に夕食が食卓に並んでいた。
「ただいまー」
「ただいま……」
「おかえりなさい、ふたりとも」
ご飯を食べ終えると、日和はすぐに自室へと行こうとしたが千歳に呼び止められる。
「アイス食べようよ、日和ちゃん」
アイスを食べたいと駄々をこねたのにここで食べないのはおかしいかと思った日和は千歳からアイスを受け取り、食べることにした。
「美味しいね」
「うん、美味しい!」
アイスを食べ終えると、千歳は日和に話しかけた。
「そっか、良かった……何かあったらちゃんと相談してね。どんな相談も聞くから」
「ありがとうございます……」
千歳に部屋まで送られて来た日和は、千歳に挨拶をしてから部屋に入った。
だが、千歳は日和の部屋の前から動く気配がなかった。
「千歳先輩?どうしたんですか?」
心配になった日和は、千歳に話しかける。
だが、千歳は日和の声に答えることはなくそのまま座り込んだ。
部屋の扉を開けようとしたその時、千歳が言った。
「日和ちゃん、僕に何か話したいことがあったんじゃない?」
「……」
やっぱり、千歳には見透かされていたことを油断しきっていた日和は思わず動揺して、声が上ずる。
「そ、そんなことないですよー?」
「嘘。日和ちゃん、流石にそれは分かりやす過ぎるよ声上ずってるし」
「ごめんなさい……あの、一旦入って貰って良いですか?」
「うん」
日和が部屋の扉を開けると、千歳が部屋に入って来た。
「聞いても大丈夫かな?」
「はい……」
中々話し出さない日和を見かねた千歳は、日和に『ゆっくりで良いからね』と日和を落ち着かせる。
「千歳先輩……は嫌だと思うんですけど……あたし、詩織と関わらなくなって分かったんです。あたし、詩織のことが千歳先輩と同じように大切なんだって」
「それは……恋愛対象として詩織ちゃんのことをってこと?」
「それは……分からないんですけど、離れて過ごすのは心が苦しいです」
「……ごめん、ちょっとだけ理解が追いつかない」
混乱した様子の千歳が部屋を飛び出して行くと辺りが静寂に包まれた。
やっぱり、千歳に話すんじゃなかったと後悔しながらこの日はそのまま眠りについた。
翌朝、千歳は何も知らなかったようにいつも通りの態度で家の中では過ごして居たが、外に出たらその態度は一変して日和を見る目が戸惑いに変わっていた。
「ごめんなさい、昨日のことは忘れ……」
「忘れるなんてできる訳無い……!いつかは、受け入れるから今は少し時間が欲しい」
千歳は謝る日和の手を握り、懇願する。
「分かりました、いつまでも待ってます」
「ありがとう」
こうして、教室に着くと日和は詩織に話しかけるべく詩織の席に近づく。
「何?」
「詩織、詩織は私のことが大嫌いなんだろうけど……私、やっと気付いたの……私、詩織のことが千歳先輩と同じように好きなんだって」
「え?何それ……日和はウチのことを恋愛の意味で好きってことなの?」
「それは分からないけど、千歳先輩と同じくらい大切に思ってる」
「じゃあ……千歳先輩はどうなるのよ?!」
「千歳先輩にも伝えてる……受け入れるには時間がかかるって言われたけど……でも、あたしはふたりのことが好きで大切にしたいの!」
「……馬鹿みたい、そんな綺麗事叶う訳無いでしょ?」
「諦められない……それに、あの喪失感は耐えられない」
「執拗いのは嫌われるよ」
「そうなんだろうけど、あたしは諦めきれないから。何度でも気持ちを伝えるから!」
「……」
混乱する頭を整理したくて、日和はコンビニに行くふりをして散歩に行くことにした。
「日和?」
玄関で靴を履いていると、お母さんに声をかけられた。
「アイス食べたくなっちゃって」
「明日で良くない?もう夜よ?」
「今食べたいのー」
「危ないから止めなさい」
お母さんに見つかり、咎められていると部活終わりの千歳がタイミング良く帰宅する。
「ただいまー……ってどうしたの?」
「日和がコンビニでアイス食べたいんだって、夜だから危ないって言ってるのに」
「だったら、僕が着いて行くよ。それならまだマシでしょ?」
「そうねぇ……だったら、お願いするわ……くれぐれも気をつけてよね」
「はい」
「はーい」
こうして家を出てコンビニへと向かう中、日和は千歳に詩織への気持ちを打ち明けることにした。
だが、千歳からしてみれば自分だけを好きで居て欲しいと思うのは当然のことだし、第一同性のしかも親友だと思っている子が恋愛の意味での好きなのだと言われたら複雑な気持ちになるのは容易に想像出来た。
「日和ちゃん?」
「……はい?」
「どうかした?ぼんやりしてるけど……」
顔を覗き込んで来ようとする千歳から目を逸らし、日和は言い放つ。
「なんでもないです……!」
千歳は何か言いたげな表情をして、言葉を飲み込んでくれた。
コンビニから帰って来ると、既に夕食が食卓に並んでいた。
「ただいまー」
「ただいま……」
「おかえりなさい、ふたりとも」
ご飯を食べ終えると、日和はすぐに自室へと行こうとしたが千歳に呼び止められる。
「アイス食べようよ、日和ちゃん」
アイスを食べたいと駄々をこねたのにここで食べないのはおかしいかと思った日和は千歳からアイスを受け取り、食べることにした。
「美味しいね」
「うん、美味しい!」
アイスを食べ終えると、千歳は日和に話しかけた。
「そっか、良かった……何かあったらちゃんと相談してね。どんな相談も聞くから」
「ありがとうございます……」
千歳に部屋まで送られて来た日和は、千歳に挨拶をしてから部屋に入った。
だが、千歳は日和の部屋の前から動く気配がなかった。
「千歳先輩?どうしたんですか?」
心配になった日和は、千歳に話しかける。
だが、千歳は日和の声に答えることはなくそのまま座り込んだ。
部屋の扉を開けようとしたその時、千歳が言った。
「日和ちゃん、僕に何か話したいことがあったんじゃない?」
「……」
やっぱり、千歳には見透かされていたことを油断しきっていた日和は思わず動揺して、声が上ずる。
「そ、そんなことないですよー?」
「嘘。日和ちゃん、流石にそれは分かりやす過ぎるよ声上ずってるし」
「ごめんなさい……あの、一旦入って貰って良いですか?」
「うん」
日和が部屋の扉を開けると、千歳が部屋に入って来た。
「聞いても大丈夫かな?」
「はい……」
中々話し出さない日和を見かねた千歳は、日和に『ゆっくりで良いからね』と日和を落ち着かせる。
「千歳先輩……は嫌だと思うんですけど……あたし、詩織と関わらなくなって分かったんです。あたし、詩織のことが千歳先輩と同じように大切なんだって」
「それは……恋愛対象として詩織ちゃんのことをってこと?」
「それは……分からないんですけど、離れて過ごすのは心が苦しいです」
「……ごめん、ちょっとだけ理解が追いつかない」
混乱した様子の千歳が部屋を飛び出して行くと辺りが静寂に包まれた。
やっぱり、千歳に話すんじゃなかったと後悔しながらこの日はそのまま眠りについた。
翌朝、千歳は何も知らなかったようにいつも通りの態度で家の中では過ごして居たが、外に出たらその態度は一変して日和を見る目が戸惑いに変わっていた。
「ごめんなさい、昨日のことは忘れ……」
「忘れるなんてできる訳無い……!いつかは、受け入れるから今は少し時間が欲しい」
千歳は謝る日和の手を握り、懇願する。
「分かりました、いつまでも待ってます」
「ありがとう」
こうして、教室に着くと日和は詩織に話しかけるべく詩織の席に近づく。
「何?」
「詩織、詩織は私のことが大嫌いなんだろうけど……私、やっと気付いたの……私、詩織のことが千歳先輩と同じように好きなんだって」
「え?何それ……日和はウチのことを恋愛の意味で好きってことなの?」
「それは分からないけど、千歳先輩と同じくらい大切に思ってる」
「じゃあ……千歳先輩はどうなるのよ?!」
「千歳先輩にも伝えてる……受け入れるには時間がかかるって言われたけど……でも、あたしはふたりのことが好きで大切にしたいの!」
「……馬鹿みたい、そんな綺麗事叶う訳無いでしょ?」
「諦められない……それに、あの喪失感は耐えられない」
「執拗いのは嫌われるよ」
「そうなんだろうけど、あたしは諦めきれないから。何度でも気持ちを伝えるから!」
「……」



