比翼連理—たとえ明日が来なくても、あなたを愛したことだけは消えない—

病室の窓から見える空は、どこまでも青かった。

春の終わり。

柔らかな風がカーテンを揺らしている。
陽菜はベッドの上で静かに微笑んだ。
右手には一枚の写真。
蒼と並んで写る夏の日の写真だった。

「綺麗な空だな……」

小さく呟く。
胸の奥が痛む。
息が苦しい。
それでも不思議と怖くなかった。
怖いのは死ぬことじゃない。
蒼を残していくことだった。

机の引き出しには手紙が入っている。
何度も書き直した最後の手紙。
涙で文字が滲んだこともあった。
だけど最後は笑顔で書いた。
蒼に泣いてほしくなかったから。

病室の時計が静かに時を刻む。
陽菜は窓の向こうを見つめた。
そして思い出す。

桜が舞うあの日。

運命みたいな出会いだった。

彼と初めて会った日のことを――。