比翼連理—たとえ明日が来なくても、あなたを愛したことだけは消えない—

夕方。

観覧車に乗る。

街が小さく見える。
夕焼けが窓を赤く染めた。

「ねぇ蒼」

「ん?」

「楽しい?」

「楽しい」

即答だった。

陽菜は嬉しそうに笑う。

「よかった」

その笑顔が少し寂しそうに見えて、
蒼は胸の奥がざわついた。

何かを隠している。

そんな気がしてならなかった。

十二月。

街はクリスマスムードに包まれていた。

イルミネーションが輝く夜。
二人は並んで歩いていた。
吐く息が白い。

「寒い」

陽菜が肩をすくめる。
すると蒼は自分のマフラーを外した。

「使え」

「え?」

「風邪ひく」

「蒼は?」

「平気」

本当は平気じゃない。

でも蒼はそういう人だった。
自分より先に誰かを守ろうとする。

陽菜はマフラーを受け取った。
ほんのり温かい。
その温もりが、なぜか泣きそうになるほど愛しかった。

年が明けた。

一月。

陽菜は再び病院へ戻ることになった。

検査のため。
そして治療のため。

退院前夜。
二人はいつもの公園へ行った。
春に約束を交わした場所。

桜の木は葉を落とし、静かに冬を越えていた。

ベンチへ座る。

空気は冷たい。

だけど隣に蒼がいるだけで温かかった。

しばらく沈黙が続く。
そして陽菜が口を開く。

「ねぇ蒼」

「ん?」

「将来の夢、見つかった?」

蒼は少し考えた。
そして言った。

「ある」

「本当?」

「うん」

陽菜が目を輝かせる。
蒼は少し照れながら続けた。

「誰かを支えられる仕事がしたい」

陽菜は驚いた。