儚き少女は気高きあやかし王に愛されます


◯東地区・酒屋・厨房・ゆずるside

【酒家の厨房】木で造られたドアのない和空間。

ゆずるが厨房に入ると、翠が振り向く。

翠「やっと帰ってきた!また森に行ってたの?」

【翠】(みどり)十六歳、ゆずるの友達兼同居人、明るい髪色に奥二重の丸い垂れた目。

ゆずるは翠に背負っていた籠を下ろし、翠に山菜と木の実を見せる。

翠「わっ!すっごい量!今日のメニューに追加しよう」

翠の言葉に、ゆずるは笑顔で頷く。

翠「もうぉ……泥、ついてるよ」

翠は濡れたタオルでゆずるの顔についた泥を拭く。
そこに麻美が来る。

麻美「ゆずる。今、来たお客様だけど、源河様と言って、うちの太客だから失礼のないようにね。もし何かあれば、首が飛ぶと思いなさい」

そう言い、麻美はゆずるを脅すとキッチンを出て行く。

翠「私、あいつら嫌いなんだよね。なんか、見てくる目がいつもいやらしい」

ゆずる(私もあの妖怪は苦手)

ゆずるモノ『源河はとにかく女好きで、毎日のようにここに来ては、女を取っ替え引っ替えしている』

おぼんにお酒と杯を乗せるとゆずるは翠と厨房を出る。