【ナレーション】『__七年前。世界的に起こった戦争により、各国は甚大な被害を受けた。それは日本も例外ではなく、多くの死者が出し人口は激減。生き残った人々は住み家を失い貧しい暮らしを強いられ、文明は徐々に衰退していき、今や国家権力もない無法地帯となった』『そんな中、闇に潜んでいたあやかし達が姿を表した。あやかし達は人間を支配下に置き、無法地帯となったこの国で自分達の帝国を築こうと企み、中でも力のあるあやかしにより、この国は東西南北の四つの地区に分け統括した』
※戦争で世界が荒れ果てたことが分かる絵とあやかし達が支配し始めたことが分かる絵。
『そしてここ、東地区には、戦争で両親を失い孤児となった、天涯孤独の少女が住んでいた』
◯東地区・森の中・ゆずるside
ゆずるモノ『ここは、太陽の昇らない闇に包まれた世界』
木に登って果物を取るゆずる。
※つぎはぎだらけの着物を着ている見窄らしい姿。
木を下りると祠に果物、山菜と木の実を供え手を合わせる。
ゆずるモノ(お父さんとお母さんが、今日もそちらの世界で幸せにいられますように)
ゆずる「祠の中の神様、食べてくださいね」
そこでカラスの鳴き声が聞こえ、ゆずるは顔を上げ空を見上げる。
空には月が浮かんでいる。
※月が出ている夜に力を強めるあやかし達に支配されている世界のため、一日中太陽がない。
ゆずるモノ『朝というものが、どんなものだったかはもう忘れてしまった。七年前のあの日以来、この国には太陽がないのだ』
ゆずる(……帰らないと)
立ち上がったゆずるは背中に山菜や木の実が入った籠を背負い、森を出て屋敷に入る。

