◯異界(屋敷の外)・朝・ゆずるside
王牙は崖に片手の平を向け、黒い煤のトンネルを作る。
隣には、優里と真里も一緒。
ゆずる【お世話になりました】
ノートを見せ、三人に向かって頭を下げるゆずる。
真里「元気でね!」
優里「しっかりな!」
王牙は黙ってただゆずるを見ている。
真里「ほら、王牙様も何か言ってあげてくださいよ」
王牙「……」
ゆずる【王牙様、どうかお元気で】
ゆずるはにっこり笑って王牙にノートを見せる。
王牙はゆずるに歩みよると頭を優しく撫でる。※僅かに微笑んでいるが、その顔はどこか寂しげ。
撫でてくれる王牙をゆずるは見上げる。
優里「王牙様が笑ってる……」
真里「初めて見た……」
優しく微笑む王牙に、優里と真里は驚く。
王牙「もう行け」
ゆずるは煤のトンネルの前に立つと、一度振り向く。
手を振る優里と真里。
王牙は黙ってゆずるを見ている。
(離れ難い気もするけど……行かないと)
笑顔で手を振ると、ゆずるは黒い煤のトンネルの中に入り、異界から出て東地区に戻る。

