儚き少女は気高きあやかし王に愛されます


◯異界(王牙の屋敷)・ゆずるの寝室(洋風)・夜・ゆずるside

部屋の扉が静かに開き、王牙が入ってくる。
ベッドの上でゆずるは規則正しい寝息を立て寝ている。
王牙はゆずるの寝顔をしばらくの間、見つめると、手当されている頬にそっと触れる。

ゆずる「んっ……」

触れられた頬が痛んだゆずるは顔を顰める。

王牙「……」

王牙(こんなに脆いくせに、どうして自分より他者を優先するんだ……)

王牙「……分からん。人間とは醜悪な生き物のはずだ。それなのに、どうしてお前は他者に手を差し出すのだ?」