ますますドキドキしてしまい、気持ちを落ち着けようとポケットの中に手を突っ込んだ。ここ最近安心毛布みたいになってる、先輩からもらったひじきのキーホルダーを握る。
「あ、そういえば、先輩」
「ん?」
「ひじきのこと、ありがとうございました」
俺が鍵についたキーホルダーを取り出しながら言うと、先輩はきょとっとする。
「なにが?」
「胡桃ちゃんから昨日聞いたんです。先輩の本棚にひじきの仲間がいっぱい並んでるって」
これを取るために何回もガチャガチャ回してもらったなら、ちょっと申し訳なかった。
先輩の部屋に行ったらキーホルダー片付けなくて大丈夫です、と言おうとして、先輩の顔を見て俺は瞬きした。
先輩が俺のひじきを見ながら固まってる。
「先輩?」
首を傾げると、先輩はその途端赤面した。見てわかるほど、耳まで真っ赤になって。
え、なんだ。初めて見る先輩のこんな顔。
「……ちょっと……一回俺のこと、ビンタしてくんない?」
「どうしたんですか?!」
「ダサすぎる……ヤバい、こんなん生き恥レベル」
先輩は両手に顔を伏せながら呟き、めちゃくちゃ動揺している。
そ、そんなに恥ずかしいんだろうか? 俺はその話胡桃ちゃんから聞いて嬉しかったんだけど。今日は初めての先輩ばっかり見られるな。
必死に羞恥心に耐えているらしい先輩をまじまじと見ていたら、先輩が暗い声で呟いた。
「だせーこいつって、引いたでしょ」
「引いてないです」
「いや、カッコつけてんな、キショって思ってる」
「そんなわけないですよ。……どっちかっていうと、ときめいたんで」
そう言うと、先輩が両手から顔を上げて俺を見てきた。でもちょっと疑わしそうな目をしている。
この話そこまで恥ずかしかったのか、と俺は話題に出してしまったことを少し反省して、先輩に出し惜しみなく本心を伝えることにした。
「ほんとですよ? 先輩が俺のためにいっぱい回してくれたんだって思ったら、すごい嬉しくて……」
こんなことを本人に言うのは俺も恥ずかしいけど、昨日そう思ったのは本当だから。
「先輩のこともっと好きになりました」
照れながら笑って言ったら、先輩はちょっと目を見開いて、ほんのりと赤い顔で俺をじっと見つめた。
先輩の手がすっと俺の後頭部に回り、軽く引き寄せられる。
え? と思う間に、先輩の顔がぐんと近づいてきて、俺の口の端に先輩の唇が微かに触れた。柔らかく触れた唇が、すぐに離れる。
「フライングだけど、練習っていうか、リハーサルってことにして」
至近距離にいる先輩が囁いてくる。
「ぇっ」
待った、いまの、ほぼキスだった。
我に返ってかあっと頬が熱くなり、今度赤面したのは俺の方だった。
「……せんぱい。反則ですよ」
「みずきが可愛いこと言うのが悪い」
いたずらっぽく笑った先輩は落ち着きが戻ったのか、そのままいつもみたいにくっついてきて俺のマフラーに顔を埋めた。
俺はドキドキが収まらずに、さっきの口元の感触を思い出して内心悶絶している。
これ明日の朝大丈夫? やっぱり俺、今夜のうちに搬送されるかも……
付き合った瞬間からこんなにドキドキしっぱなしで、俺はこれから大丈夫かな。
「あ、そういえば、先輩」
「ん?」
「ひじきのこと、ありがとうございました」
俺が鍵についたキーホルダーを取り出しながら言うと、先輩はきょとっとする。
「なにが?」
「胡桃ちゃんから昨日聞いたんです。先輩の本棚にひじきの仲間がいっぱい並んでるって」
これを取るために何回もガチャガチャ回してもらったなら、ちょっと申し訳なかった。
先輩の部屋に行ったらキーホルダー片付けなくて大丈夫です、と言おうとして、先輩の顔を見て俺は瞬きした。
先輩が俺のひじきを見ながら固まってる。
「先輩?」
首を傾げると、先輩はその途端赤面した。見てわかるほど、耳まで真っ赤になって。
え、なんだ。初めて見る先輩のこんな顔。
「……ちょっと……一回俺のこと、ビンタしてくんない?」
「どうしたんですか?!」
「ダサすぎる……ヤバい、こんなん生き恥レベル」
先輩は両手に顔を伏せながら呟き、めちゃくちゃ動揺している。
そ、そんなに恥ずかしいんだろうか? 俺はその話胡桃ちゃんから聞いて嬉しかったんだけど。今日は初めての先輩ばっかり見られるな。
必死に羞恥心に耐えているらしい先輩をまじまじと見ていたら、先輩が暗い声で呟いた。
「だせーこいつって、引いたでしょ」
「引いてないです」
「いや、カッコつけてんな、キショって思ってる」
「そんなわけないですよ。……どっちかっていうと、ときめいたんで」
そう言うと、先輩が両手から顔を上げて俺を見てきた。でもちょっと疑わしそうな目をしている。
この話そこまで恥ずかしかったのか、と俺は話題に出してしまったことを少し反省して、先輩に出し惜しみなく本心を伝えることにした。
「ほんとですよ? 先輩が俺のためにいっぱい回してくれたんだって思ったら、すごい嬉しくて……」
こんなことを本人に言うのは俺も恥ずかしいけど、昨日そう思ったのは本当だから。
「先輩のこともっと好きになりました」
照れながら笑って言ったら、先輩はちょっと目を見開いて、ほんのりと赤い顔で俺をじっと見つめた。
先輩の手がすっと俺の後頭部に回り、軽く引き寄せられる。
え? と思う間に、先輩の顔がぐんと近づいてきて、俺の口の端に先輩の唇が微かに触れた。柔らかく触れた唇が、すぐに離れる。
「フライングだけど、練習っていうか、リハーサルってことにして」
至近距離にいる先輩が囁いてくる。
「ぇっ」
待った、いまの、ほぼキスだった。
我に返ってかあっと頬が熱くなり、今度赤面したのは俺の方だった。
「……せんぱい。反則ですよ」
「みずきが可愛いこと言うのが悪い」
いたずらっぽく笑った先輩は落ち着きが戻ったのか、そのままいつもみたいにくっついてきて俺のマフラーに顔を埋めた。
俺はドキドキが収まらずに、さっきの口元の感触を思い出して内心悶絶している。
これ明日の朝大丈夫? やっぱり俺、今夜のうちに搬送されるかも……
付き合った瞬間からこんなにドキドキしっぱなしで、俺はこれから大丈夫かな。
