「みずき、俺と付き合ってくれる?」
今度は真面目な顔で先輩が聞いてきた。
「はい」
はっきり答えると、先輩は嬉しそうに微笑む。
「よかった。ありがと……じゃあ、そういうことだから、前田君」
「え?」
急に先輩が俺の後ろに視線を送ったので、つられて俺も振り返り。
顔を向けたそこに、本当に前田が立っていたから俺は絶句した。
前田も俺達を見ていて、口を半開きにしている。
「前田!?」
なんでここに前田がいるんだ!?
俺が叫んだら、前田は我に返ったような顔になり、こっちに歩み寄ってきた。
若干顔を赤らめながら、早口で経緯を説明し始める。
「いやあ、西野達と早めに解散したから、電車に乗って帰ってたらたまたまホームにみずきを見つけて。先輩もいたから声かけて帰ろうかと、先頭車両にいた俺は電車を降りたわけだ。それで二人の話が終わったら話しかけようと思って、みずきの後ろで待機してました」
「ど、どっから聞いてた?」
「『みずきは俺のことだけ見てればいいからね』『俺だって、先輩のこと誰にも見てほしくないんです』」
「うわーーーーーーーーー!!!!」
よりによって一番恥ずかしいところ!!
「先輩、前田がいるって気づいてたなら言ってくださいよ!」
「でも付き合ってくれるって言質とるまで話の腰折られたくなくて」
「聞かれてる方が恥ずかしくないですか!?」
「だって前田君イケメンだから、心配で……」
ちょっと拗ねたような顔になった先輩が小さい声で言う。
「ちゃんと知っておいてもらわないとと、思い」
「あ、その辺色々察したんで、大丈夫っす」
前田が片手を上げて先輩に頷いた。調子を取り戻してきたのか、いつもの雰囲気に戻ってうんうんと頷いている。
内心、この前先輩のこと好きじゃないって言ってたくせに、やっぱりそうなんじゃんって思ってるんだろうな。
俺は見られていたという動揺が去らずにまだ赤面してるけど。
人間ができてる前田は俺が先輩と付き合うという話をしていても、引いたりせずに普通にしている。
その様子を見て内心ほっとした。前田とはこれからも今まで通り話したりしたいし、気まずくならないならよかった。
前田が俺を見て爽やかに笑い、親指を立てた。
「よかったな、みずき」
「ありがとう」
複雑な居た堪れなさを感じつつ頷くと、前田は「誰にも言わないから安心しろ」と俺が頼む前に心得たように胸を張ってくる。
「じゃあ、話まとまったみたいだから俺帰る」
結局、俺と先輩に挨拶するつもりが告白の現場を見届けることになってしまった前田は、持ち前のそつのなさを発揮してあっさり退場することにしたらしい。
俺と少し世間話をしてから、ホームにアナウンスが流れたので前田は電子板を見上げた。
停車位置に向かって足を踏み出す間際、ぺこっと先輩に頭を下げる。
「春川先輩も、お先です」
「前田君、この前は睨んでごめんね。これから俺とも仲良くしよう」
「まじすか。いいんすか? なら今度遊んでください」
「いいよ」
先輩は普通に頷いて、自然に連絡先を交換し始めた。
ついこの前まで他人だったし、なんなら先輩は前田にちょっと嫉妬してたっぽいのに、急速に仲良くなる二人。俺は前田はやっぱりすげえや、と感心した。
ホームに来た電車に前田が乗り込んで、俺と先輩はまた二人だけに戻った。
今度は真面目な顔で先輩が聞いてきた。
「はい」
はっきり答えると、先輩は嬉しそうに微笑む。
「よかった。ありがと……じゃあ、そういうことだから、前田君」
「え?」
急に先輩が俺の後ろに視線を送ったので、つられて俺も振り返り。
顔を向けたそこに、本当に前田が立っていたから俺は絶句した。
前田も俺達を見ていて、口を半開きにしている。
「前田!?」
なんでここに前田がいるんだ!?
俺が叫んだら、前田は我に返ったような顔になり、こっちに歩み寄ってきた。
若干顔を赤らめながら、早口で経緯を説明し始める。
「いやあ、西野達と早めに解散したから、電車に乗って帰ってたらたまたまホームにみずきを見つけて。先輩もいたから声かけて帰ろうかと、先頭車両にいた俺は電車を降りたわけだ。それで二人の話が終わったら話しかけようと思って、みずきの後ろで待機してました」
「ど、どっから聞いてた?」
「『みずきは俺のことだけ見てればいいからね』『俺だって、先輩のこと誰にも見てほしくないんです』」
「うわーーーーーーーーー!!!!」
よりによって一番恥ずかしいところ!!
「先輩、前田がいるって気づいてたなら言ってくださいよ!」
「でも付き合ってくれるって言質とるまで話の腰折られたくなくて」
「聞かれてる方が恥ずかしくないですか!?」
「だって前田君イケメンだから、心配で……」
ちょっと拗ねたような顔になった先輩が小さい声で言う。
「ちゃんと知っておいてもらわないとと、思い」
「あ、その辺色々察したんで、大丈夫っす」
前田が片手を上げて先輩に頷いた。調子を取り戻してきたのか、いつもの雰囲気に戻ってうんうんと頷いている。
内心、この前先輩のこと好きじゃないって言ってたくせに、やっぱりそうなんじゃんって思ってるんだろうな。
俺は見られていたという動揺が去らずにまだ赤面してるけど。
人間ができてる前田は俺が先輩と付き合うという話をしていても、引いたりせずに普通にしている。
その様子を見て内心ほっとした。前田とはこれからも今まで通り話したりしたいし、気まずくならないならよかった。
前田が俺を見て爽やかに笑い、親指を立てた。
「よかったな、みずき」
「ありがとう」
複雑な居た堪れなさを感じつつ頷くと、前田は「誰にも言わないから安心しろ」と俺が頼む前に心得たように胸を張ってくる。
「じゃあ、話まとまったみたいだから俺帰る」
結局、俺と先輩に挨拶するつもりが告白の現場を見届けることになってしまった前田は、持ち前のそつのなさを発揮してあっさり退場することにしたらしい。
俺と少し世間話をしてから、ホームにアナウンスが流れたので前田は電子板を見上げた。
停車位置に向かって足を踏み出す間際、ぺこっと先輩に頭を下げる。
「春川先輩も、お先です」
「前田君、この前は睨んでごめんね。これから俺とも仲良くしよう」
「まじすか。いいんすか? なら今度遊んでください」
「いいよ」
先輩は普通に頷いて、自然に連絡先を交換し始めた。
ついこの前まで他人だったし、なんなら先輩は前田にちょっと嫉妬してたっぽいのに、急速に仲良くなる二人。俺は前田はやっぱりすげえや、と感心した。
ホームに来た電車に前田が乗り込んで、俺と先輩はまた二人だけに戻った。
