「あれ、澤本さん」
――はずだった。
「あ……」
「こんにちは」
タレ目が少し細くなり、人のいい笑みを作る。
「こ、こんにちは、亮先輩」
友人の彼氏ってなんか変な感じがするのはなんでだろう。
「……」
「……う、海佳とはどうですか?」
ここで『じゃあ』と教室へ戻るのも変な感じがして、だから私の口からはその質問が出ていた。
それに亮先輩は、目を見開く。
色白の頬が、ほんのりとピンク色に染まった。
「結構いい感じ、だよ。この前初デートもしたし。って、それは海佳から聞いた?」
「はい」
「そっか。澤本さんと海佳は、本当に仲が良いんだね。少し妬けちゃうな」
……は?


