「……凛花ちゃん?」
急に黙りこくった私に、有坂さんが不安げに顔を覗き込んでくる。
私はあわてて、顔を上げた。
「ご、ごめん、ボーッとしちゃってたっ」
「なら、よかったっ」
有坂さんの顔に笑顔が戻り、ホッとする。
「あ、ねぇ凛花ちゃん。凛花ちゃんも――」
「ご、ごめん有坂さん!私、もう行くね」
彼女の言葉を遮ってしまったのは申し訳ないけれど、私は逃げるように去って行った。
急に、いたたまれなくなったのだ。
数分前は一軍女子の久保さんと話していた可憐な転校生と、私みたいな友達のいない地味女が言葉を交わしていたことが。


