あ。
「ち、違うって〜!『亮先輩みたいな彼氏』は、亮先輩を彼氏にしたい!って意味じゃないよ〜!私たち親友なのに、亮先輩を取るわけないじゃんっ?」
「……そうだよねっ。疑ってごめん〜!あ、瑞希、リボン曲がってる〜!」
一瞬でいつもの調子に戻った海佳が、私の制服のリボンに触れる。
ピンク色のそれが曲がっていたらしいが、リボンでも触れられて、正直ゾッとした。
不機嫌になったらクラスの温度が二度下がるほど怖いくせに、急に優しくなるから心臓に悪い。
DV彼氏もこんな感じなのだろうか。
もしも海佳が彼氏でこんな感じだったから、私ならすぐ別れる。
ついでに、今までの鬱憤も怒鳴って発散しておく。
でも、海佳は彼氏ではなく友達――いや、肩書きだけは〝親友〟だ。
〝親友〟の海佳からは、どんなに離れたくても離れられない。


