願いのその先



柚乃(ゆずの)。あたしたち絶交しよ」

だれもいない廊下の片隅。

小さいけれど、ハッキリとした口調で言う。

すると、目の前にいる柚乃は驚きよりも『は?』という不信感いっぱいの表情になった。

「急になに?」

「だって、あたしに『おはよう』って挨拶してくれなかったじゃん」

「昨日、佳純(かすみ)が言ったんだよ。鬱陶しいから朝の挨拶なしでいいよって。あたしはそれに従っただけだけど?」

「ハァ?そんなこと言ってないし。言い訳するとか、まじ最悪。とにかく、絶交ね」

あたしは『絶交』の語気を強めて言うと、柚乃を置いてさっさと教室に戻って行った。