孵化から始まる転生もふもふヒナ日記〜弟が◯◯でも、兄ちゃんは気づかない〜


転生したと思ったら、なぜか鳥だった。
転生前のことや転生した理由、神様に会ったかどうかも不明。たぶん前世は人間だったはず、程度のことしか分からない。ここが地球なのか異世界なのかも分からない。

転生していることに気づいたのは、孵化してから。

必死でコツコツ卵の殻を割って這い出したよ、俺。
最初は目が開かなくて体もベチャッとしてる感じだったし、寒くてぴーぴー鳴いてたらすぐ近くからコツコツ音が聞こえて。
そのうち俺と同じようにぴーぴー鳴く声が増えていった。あ、これきっと俺の弟か妹たちだな、って思ったらちょっと安心。

なんか本能? みたいな感じで口開けてたら、親鳥(パパとママ)に無理やり何かをねじ込まれたし。
最初はおえっ、とか思ったけどすぐに美味しく感じて、そこからはずっとぴーぴーおねだりしまくる俺。
ママー、パパー、お腹空いたー、もっともっとごはんちょうだい。お願いしまーす。


  ***


やがて目が開くと、俺のまわりには弟や妹の雛たちが四羽いた。それと、孵化に失敗した割れた卵が一つ……。
そして、現在進行形でコツコツと中から殻をつつく音がする大きな卵が一つ。
おおっ、こいつが俺たちの末っ子だな。俺らの卵よりもひとまわり以上大きくて、そのぶん、殻も分厚そう。

ワクワクしながら卵から出てくるのを待ってたけど、割れないな。時間とかよく分からないけどそろそろ日も暮れるぞ。俺の目が開いたのって朝だよね?
気のせいか、殻の中から聞こえるコツコツ音も小さくなってない? まさか弱ってるのかな。

孵化に失敗した卵の殻をちらりと見て、少し心配になる。

よし、お兄ちゃんが外からつついて手伝ってやろう。
末っ子が中からつついてる部分はちょっと固くて、俺のちっちゃいくちばしが痛くなりそうだから、一番やわらかそうな反対側を――。

コツコツ、コツコツ。
しばらく続けていると、中からも俺と同じ部分をつつく音が聞こえ始めた。

コツコツ、コツコツ。
おっ、ひび。

コツコツ、コツコツ。
おおっ、割れ目ができたぞ。よっしゃあ、頑張れもう少しだ!


たっぷり時間をかけて孵化した末っ子は、かなり目つきの悪い……たぶん弟だった。
というかこいつ、最初から目が開いてるんだけど。産毛もちゃんと生え揃ってるし。あれ?
俺も他の雛たちも目が開くまでかなり時間というか数日かかったし、最初は無毛(丸裸)だったのに。個体差かな。


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