手を伸ばし、指先でちょんと一瞬、剣に触れた。何も起こらない。 久遠は心を決め、剣を腕に抱きかかえた。 日紫喜家の紋の入った布に包まれたそれは、想像よりもずっと重い。落とさぬようにしっかりと胸に引き寄せると、久遠は燦を振り向いた。