火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~

 日紫喜には綺羅を守る使命がある。ほかの主家から妻を娶り、主家との縁を大切にせよ――という話は何度も聞かされた。

 母の命が奪われたことで、その大嵐が再来したというのか。
 燦の目から、ここまで堪えてきた涙が溢れた。

(もう、綺羅ノ国なんかどうでもいい! 母の傍で死にたい)