辺りに散らばった小石や木片がコトコトと小刻みに震え始めたかと思うと、一斉にふんわりと浮いた。どこからともなく生まれた風が、身構える間もなく一気に舞い上がる。
「燦様! 風が来ます!」
炎武の才による剣が風で吹き消されたら、燦が斬られてしまうかもしれない。
一葉は風の中をよろよろと走り、燦に手を伸ばした。痺れる手で、燦の指先をなんとか掴む。
巻き起こった暴風はすべてを呑み込み、かき混ぜるように渦を巻き――そして、静まった。砂埃で夜の空気が霞み、周りがほとんど見えない。
しっかりと繋いだ燦の手だけが、久遠の不安を和らげた。
「もう……収まったのかな?」
恐る恐る、顔を上げる。隣に並ぶように倒れている燦と目が合って、頷き合った。
体を起こしてあたりを見回す。徐々に視界が開けてくる。
婚礼の儀のために設けられた祭壇は跡形もなく崩れていた。各主家の宝物はあちらこちらに散らばっており、衛士たちが慌てて拾い集めていた。
「……お祖父様は?」
「燦様! 風が来ます!」
炎武の才による剣が風で吹き消されたら、燦が斬られてしまうかもしれない。
一葉は風の中をよろよろと走り、燦に手を伸ばした。痺れる手で、燦の指先をなんとか掴む。
巻き起こった暴風はすべてを呑み込み、かき混ぜるように渦を巻き――そして、静まった。砂埃で夜の空気が霞み、周りがほとんど見えない。
しっかりと繋いだ燦の手だけが、久遠の不安を和らげた。
「もう……収まったのかな?」
恐る恐る、顔を上げる。隣に並ぶように倒れている燦と目が合って、頷き合った。
体を起こしてあたりを見回す。徐々に視界が開けてくる。
婚礼の儀のために設けられた祭壇は跡形もなく崩れていた。各主家の宝物はあちらこちらに散らばっており、衛士たちが慌てて拾い集めていた。
「……お祖父様は?」

