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布団に入っても、眠気は来なかった。
緋桜さんの言葉が、何度も頭の中を巡っている。
わたしは、初音さんの生まれ変わり。
そして緋桜さんは、その魂を追ってきた。
そういえば、七姫が前に貸してくれた漫画にも、前世の記憶を持つ主人公が出てきた。
その子は、好きだった人と再会した瞬間にすべてを思い出して、迷わず抱きしめ合っていた。
前世も今世も同じ気持ちで、何の疑いもなく幸せになっていた。
でも今のわたしは、前世の記憶を夢で見たからといって、気持ちをすぐに整理できるわけじゃない。
初音さんが緋桜さんを大切に思っていたことは、分かる。
そしてそれはきっと、緋桜さんも同じ。
だからこそ思ってしまう。
ずっと君に会いたかった、と。
ずっと君を探していた、と。
その「君」は、本当にわたしだったのだろうか?
本当は——
そう思った瞬間、胸の奥に小さな棘が刺さった。
目を閉じると、これまでのことを思い出してしまう。
朱里、と呼ばれたときの優しい声。
わたしのために怒ってくれた横顔。
好きなものを好きと言っていいと、教えてくれた夜のこと。
気づきたくない。
それなのに、思ってしまった。
緋桜さんが見ているのが初音さんではなく、今のわたしだったらいいのに、と。


