——カシャ。
「あ、また勝手に撮ったなー?」
葵はぷくっと頬を膨らませて笑うと、近くのひまわりにそっと触れた。
「でも、本当に綺麗。……ねえ、蓮くん。ひまわりの花言葉って、知ってる?」
「え? 花言葉?」
僕はカメラを下ろし、首を振った。
葵はひまわりの大きな花弁を愛おしそうに見つめながら、少しだけ声を落として言った。
「『私はあなただけを見つめる』。……なんだか、すごく一途で、少しだけ苦しい言葉だよね」
その言葉が、僕の胸の奥に静かに波紋を広げていく。
僕にとってのひまわりは、他のみんなを照らす太陽のような葵だ。
だけど、葵にとっての太陽は、ここにはない、東京という遠い未来の舞台なのかもしれない。
「……葵」
気づけば、僕は彼女の名前を呼んでいた。
「ん?」
葵が振り返る。
