刻の輪廻で君を守る

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「でも、最近のアッシュ、ちょっとひどくない? セレスさんと近すぎだし……セレスさんもセレスさんよ、あんな露骨なのはちょっと、どうなのかしら……」

 そう言いながらレイチェルお姉ちゃんはプンプンしてるのです。

 うーん……

 最近のアシュレイお兄ちゃんかぁ。

 それはミリーもちょっと、どーなのかなー、と思うなぁ。

 セレスさん、ていうピクニックに来てたお姉さんが、アシュレイお兄ちゃんやレイチェルお姉ちゃんとも色々とやり取りがあるのはわかるのだけども……

 そのセレスさんが、アシュレイお兄ちゃんと仲良くしててレイチェルお姉ちゃんは焦ってるみたい。

 だから、ピクニックの時にもお姉ちゃんに言ったんだけどなぁ。

 でも、大丈夫だよ、レイチェルお姉ちゃん。

 アシュレイお兄ちゃんは、いっつもレイチェルお姉ちゃんのことしか考えてないもん。一緒の時は、いつもレイチェルお姉ちゃんを見てるよ?

 ……じっと待ってばかりじゃなくってレイチェルお姉ちゃんから、自分の気持ちを言えばいいのに。何でかなぁ、そうしないのは。

 でも、だから、なんだよねぇー。

 最近のアシュレイお兄ちゃんはちょっと、不誠実だと思いますー。

 セレスさんっていうお姉さん。

 あのお姉さんも、ちゃんとアシュレイお兄ちゃんに好意を示してるのに、お兄ちゃんはちゃんとそれに向き合ってないと思うのです。

 それはやっぱり、良くないと思うのだけど……どうなんだろ?

 こう思うのは、まだミリーが子供だからなのかなぁー?

 恋愛って良く分からないのですー。

 アシュレイお兄ちゃんとセレスさんのことについて熱弁するレイチェルお姉ちゃんを見ながら、ミリーはそう思うのでした。









 今日の最後の授業は理科でした。

 水が蒸気になるのは分かるけど、それがこんなにいっぱいの蒸気になるんだーってお話。

 ちょっと難しかったので、後でレイチェルお姉ちゃんにもっかい復習してもらおうかなぁ。

「ちょっと、ミリーちゃん」

 帰りの準備をしていた時にまた声を掛けてくれたのはエルサちゃんだった。

 どうしたのだろう?

「さっきの理科のノートも貸してくれるかしら? 次のテストでは良い点を取りたいのよ」

 何だか分からないけど、エルサちゃんのお友達も周りに立ち並んでニヤニヤしている。

 エルサちゃん、そんなにパパに怒られちゃうんだねー。でも、それで頑張ろうとするのは、すっごくえらいよー!

「……どういうことよ、コレ」

 あれ? エルサちゃんが『ノートが欲しい』って言うからミリーの理科のノートを貸したのだけど?

「こ、このノートが無いとあなたも困るでしょ!? なんでそんな簡単に私にノートを渡すのよ!? あなた、バカなの!?」

 周りの友達たちが『こんなに簡単にノートを貸すなんておかしい!? どうなってるの!?』なんて小声で話し合ってる。

 何でかなぁ? エルサちゃんは、ミリーに『ノートを貸して』って言ったのに、貸すとすごく『信じられない』って顔をする。何でなんだろう?

「だって、エルサちゃんはミリーのお友達でしょー? お友達が困ってたらミリーは手伝うよー?」
「…………!!」

 何だろう。エルサちゃんも、周りのエルサちゃんの友達もビックリしたように戸惑っている。

 ミリーは変なことを言ったのかなぁー?

「じゃあ、またね」

 そう言って、帰ろうとしたら、

「う、うん……また、今度、一緒に勉強しよ……ミリーちゃんが良ければ、だけど」

 そう言ってエルサちゃんは、モジモジとしていた。

 うん。

「ありがと! また一緒に勉強しようねぇー!」

 エルサちゃんは何か言おうとしたみたいだけど、でも、ちょっと微笑んでくれて、

「うん、よろしく」

 と言ってくれた。







 夕方の大広場。

 もう陽が落ちるのが早くなってるからそんなにはこのテラス席に過ごせないかなぁ。

「でね、でね、ゴロー爺の昔話がすっごく面白いの!! ミリーちゃんも一緒に聞きに行こうよー!」
「……あれ、本当に昔話なんスかねぇ……」

 一緒にお茶してるのはリアンちゃんと、護衛をしてくれてるトライド君。

 リアンちゃんはゴロー爺の昔話にハマって、わざわざヘルベの森の山小屋まで行ってるらしい。

 トライド君もその付き添いで一緒に聞いてるみたいだけど……。

 ゴロー爺、とても話し好きでミリー達もしょっちゅうお話しを聞いてたなぁ。

 トライド君はリアンちゃんが好きらしい。

 一度、リアンちゃんに告白したんだって。

 ただ、リアンちゃんは『そうなんだー。ありがとー』とだけだったみたい。

 ……『この人が好き』、てどういうことなのかわからないのかな? ミリーもよく分かんないけど。

 レイチェルお姉ちゃんやアシュレイお兄ちゃんもそうだけど、皆、『好き』って大事なんだよねー。

 ……ミリーも、いつか恋するのかなぁ?

「うーん、リアンは恋愛って良く分かんない」

 やっぱり、リアンちゃんも、そうなんだよねー。

 でも、そこに、

「それでも、俺はリアンちゃんが好きッス。この気持ちは変わんねぇー」
「そっかぁ、それは嬉しいなぁ。ありがとー、トライド君」
「えへへ……」

 うんうん、この二人はお似合いだなぁ。

 ミリーにも、恋愛ってよく分かんないけど、誰かが誰かを好きって言うのはすごく良いなぁ……










「ミリーは本当に毎日、頑張ってるわね」

 お母さん、お父さんと晩ご飯を食べながら今日の学校の様子を話してたら、お母さんは笑顔でミリーのことを褒めてくれた。

 お弁当のサンドウィッチも、すっごく美味しかったし、ありがとう!

 ミリーは毎日がとても楽しいです。

 こんなすっごく楽しい毎日。





 ランタンで教科書を見ながら復習してたけど、時計塔はもう22時を指し示してたので、灯りを消してベッドに潜り込む。

 フィッチはとっくに、お休みになっちゃってる。

 また明日、とっても楽しい、いつもの毎日が来ることを楽しみに。

 ミリーはまたおネムになるのです。

 おやすみなさい……

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