この恋が終わる頃

 浦間を抱きしめた時、こんなにも華奢な体で頑張っていたんだと思った。
 どうして、大崎が浦間を振ったのか、俺は知ってる。
 だけど、彼女の気持ちを聞くと大崎のことが許せなかった。
 友達だし、あいつの悩みには付き合ってきた。
 早く先生とは距離を置けとあれだけ言ったのにも関わらず、あいつは距離を置かなかった。
 それが、情けない声を電話越しに聞くことになるとは思いもしなかったけれど。
 それだけ好きだったんだ。
 バカにする気になんてなれなかった。
 大崎は、恋をしてた。利用された。
 悩んでいたあいつの気持ちを踏み躙った先生。
 悪いのは先生だ。
 だけど、大崎はこんな経験した後で恋愛できるだろうか。
 都合のいい相手と自分を卑下しないだろうか。
 自虐ネタとして使い始めたりしないだろうか。
 あいつは、幸せになれるのだろうか。
 しかし、浦間を泣かせるのは違う。
 泣かせていいわけがない。
 大崎が浦間と復縁することはないだろう。
 ならば、俺は浦間と付き合える可能性がある。
 もし仮に浦間が大崎と復縁したいと今も思うのならば、その気持ちがなくなるくらい俺がいい男であればいい。
 そんな強気になれたらどれほど良かったか。
 俺は、あいつらと友達でいたかった。
 四人でファミレス行っていた頃に戻りたい。
 大崎は、それを知っていたからあの電話で謝ってきた。
 いや、何を言う。
 あいつが壊したんだ。
 もう戻れない。
 ……戻りたい。
 あぁ、くそ!
 どうしたらいいってんだよ。
 恋をとるか、友情をとるか。
 大崎と浦間が友達に戻れる可能性は?
 優先すべきはどっち?
 俺はバカだ。
 どっちをとるべきかなんてわかんねぇ。
 いつもみたいにふざけられたらいいのに。
 一か八か決めてやる。
 友情だ。
 大崎と浦間が復縁する。
 そうすれば、元通り。
 恋に悩む必要なんかない。
 たとえ、それが逃げだと言われようとも。
 もう決めた。
 あれだけ浦間と付き合いたかったけど、俺は友情をとる。
 藍田にたくさん相談したけれど、そっちの方がいいだろう。
 俺は、そう簡単に揺らいだりしない。そう決めたのだから。