記憶喰いの呪剣《ラストメモリア》を、俺は使いたくない

夜ご飯はかなり豪華だった。
お刺身、天ぷら、お肉などなど並んでいた。

「お袋こんなには食べれないよ」

「ごめん、ごめん。朔が帰って来るって聞いてご飯張り切りすぎた」

四人で全部のご飯を食べた。家族みんなでいっぱい話した。
久遠は自分の部屋に戻って鞘からスプリットセイバーを取り出し、触れてみた。
だが、何も起こらなかった。

「何も起こらない。あれはなんだったんだ」

久遠は、あれは夢だったのかと思った。だが、あれが夢ではないことは分かっていた。
スプリットセイバーが何を伝えたいのか、久遠には分からなかった。

そのまま寝て、朝を迎えた。

「お兄ちゃん起きて」

「う〜ん」

「朝ご飯出来てるよ」

「わかった」

朝ご飯には、魚と味噌汁、白ご飯、漬物が並んでいた。
朝ご飯を食べ終えると、特にすることがなかった。

「あー。お腹いっぱい」

「お兄ちゃん、すぐ横になるのはいけないよ」

「いいじゃないか」

「朔、今から外で一戦やろうではないか」

「えっ。竹刀の方でやるの?」

「いいや。二つ剣を持ってこい」

「わかった」

久遠はお父さんに言われるままスプリットセイバーとラストメモリアを持って外に出た。

「準備出来たな」

「うん」

「ではやるぞ」

「わかった」

久遠の父親は素早く久遠に向かって斬りつけた。久遠は一歩下がって、それを避ける。

「サッ!」

「ドンッ!」

避けた後、久遠は父親に向かって斬りつけた。父親は剣で久遠の攻撃を受け止めた。

「カン」

「朔、腕が上がったな」

「いつも先生に特訓してもらってるからかな」

「なるほど。お前にとっては師匠みたいな先生なのかな?」

「どうなんだろ。第零異能記録学園の元生徒でSランカーで零界の魔導剣士らしいから」

「その先生は、強いお方なんだな」

「うん」

二人の攻防が続く。そして、決着をつけるために互いに力を溜めた。

「ゴゴゴゴ」

凄まじいオーラが二人を包む。

「うぉー」

久遠は父親に最後の一撃を斬りつけた。お父さんもそれを受け流そうとしたが、剣が折れた。

「そこまで」

「朔、強くなったな。ワシの剣が折れてしまった」

「親父、ありがとう」

そして、一週間が経った。久遠は学園へ戻ることになった。

「親父、お袋、紅羽、またね」

「元気でな」

「体に気をつけて」

「お兄ちゃんまた、会いましょう」

バスに乗って電車の駅まで行く。

今日のバスはお年寄りの人が多かった。
久遠は母親から弁当をもらっていたので食べることにした。

「モグモグ。美味しい。あっという間に一週間だったな」

そんなことを思いながら弁当を食べていた。
食べ終わった頃には駅前に着いていた。

電車の中は田舎と違って人が多かった。
そして電車は学園前に着く。久遠は降りて学生寮に戻った。

「みんな元気にしてるかな」

久遠は綾人の部屋に行ってみた。

「コンコン」

「はーい」

綾人はドアを開けた。目の前には久遠が待っていた。

「朔、帰ってきたのか」

「うん。今、帰ってきた」

「そうなんだ。実家はどうだった?」

「楽しかったよ。ゆっくり出来たかな」

「いいな。まだ昼過ぎだけど今から何かしないか?」

「うーん。少し黒刃先生の所に行こうかなって」

「なにか用事でもあるのか?」

「実家の蔵でもう一本、剣が見つかったんだ」

「マジで?」

「スプリットセイバーっていう、ラストメモリアを抑える剣らしい」

「へぇー。それは凄いな。それじゃ、その腕輪必要なくなるんじゃ?」

「そうかもしれないけど。この腕輪があったからラストメモリアの呪いの力が抑えてくれたからな。これは使うよ」

「なるほど。いいと思うぞ」

「うん。ちょっと黒刃先生の所に行ってくる」

「わかった」

久遠は黒刃先生の元に向かった。

「コンコン」

「入れ」

「失礼します」

「お、久遠帰ったのか。なにかようか?」

「はい」

久遠は実家でスプリットセイバーを見つけたことやスプリットセイバーを触って初代の久遠がドラゴンと戦い、この剣を作ったことを話した。

「そうだったんだな。スプリットセイバーとラストメモリアは一つの剣だったんだな」

「はい」

「久遠今からスプリットセイバーの技見せてくれないか?」

「今からですか?」

「そうだ」

「わかりました」

久遠は黒刃先生と訓練所に行く。黒刃先生が人形を用意した。そしてスプリットセイバーを取り出した。

「よし、開始」

久遠は技を繰り出した。

「烈空」

やっぱり、斬った瞬間、周囲の空間が一瞬だけ歪んだ。

「こ、これは凄いな」

「この技しか分からないんです」

「そうか」

「この技以外にもあると思うんですが、分からないんです」

「なるほどな。そのスプリットセイバーはラストメモリアを抑える剣だけど元は一つだったんだな。もしかしたら、この剣で記憶をたどって技が出せるのかもな」

「それって、まだ技があるってことですよね」

「そうだな。烈空は出した時どんな感じだった?」

「分からないけど、咄嗟に口に出たんです」

「何かしら、久遠に共鳴しているんだと思う」

「共鳴か」

「また何か起こるかもしれない。」

「はい」

久遠は学生寮に戻る。帰ったら誰かにノックされた。

「コンコン」

「はい」

「ガチャ」

「朔君」

「小夜と雪乃と綾人どうしたの?」

「明日みんなでショッピング行こうかなって話してたの。水着を買いに」

「あー。泳ぎたい話をしてたね」

「うん」

「だから買いに行こうぜ」

「わかった。いいよ」

「やった」

「じゃあ、また明日ね」

「うん」

朝を迎えてみんなとショッピング行く準備をした。

「お待たせ」

「きたか」

「まだ小夜達はきてないんだね」

「そうだね。多分もうすぐ来るとは思うけど」

「二人ともお待たせ」

小夜と雪乃がきた。
久遠たちは初めて二人の私服を見て、ドキッとした。
小夜は可愛らしい服にスカートだった。
雪乃は水色のワンピースを着ていた。

「何、ジロジロ見てるの?」

「変なこと考えてないでしょうね?」

「可愛いなって思っただけだよ」

「そうだよ」

「ありがとう」

「私もありがとう」

「う、うん」

「お、おう。それじゃ行こうか?」

久遠達は電車に乗って一番大きなショッピングモールに行く。
このショッピングモールはいろんな物が置いてある。
見たことのない物や、珍しい食べ物が並んでいる店もある。