記憶喰いの呪剣《ラストメモリア》を、俺は使いたくない

四人はまず人形と戦い、その後黒刃先生と戦った。
黒刃先生は強かった。

「つまり、ドラゴンを復活させるためにラストメモリアを狙ってるってことですよね?」

「そうだな。お前はどこまで聞いたことあるんだ?」

「俺は、初代久遠が討伐でドラゴンを倒してこの剣を作った話は聞いたことあります」

「なるほど。私が聞いたのは、ドラゴンが人の記憶を喰って生きてた話は聞いたことある」

「夏休み実家に戻るつもりです。ラストメモリアのこと聞こうかなと思ってます」

「わかった」

訓練は夜まで続いた。四人はかなり疲れ果てていた。

「今日はここまでだ。着替えて帰るように」

「はい!」

「久遠、いつもこんなにきつい訓練してるのか?」

「う、うん」

「私も疲れた」

「早く帰ってお風呂入りたいわ」

帰り道、コンビニに寄った。ジュースやお菓子を買った。そして、四人は黒宮と戦ったことを話した。

「アイツ、強かった。四人でも勝てなかった」

「うん」

「黒刃先生が来なかったら殺されてたのよね」

「ドラゴンを復活させるために、俺のラストメモリアを狙ってるらしい」

「どうやって復活させるんだ?」

「そうよ」

「それはまだわからない」

夜桜と月城は女性寮に戻り、綾人と久遠は男性寮に戻った。

「朔、また後でな」

「うん」

久遠は部屋に戻った。鞄から黒宮に折られた剣を取り出した。

「真っ二つに折られたな。ランク戦までに剣を買わないとな。今度のランク戦はいつからだ」

久遠はパソコンを開いた。まだ、対戦相手が見つからない。他の人は決まってるのに。

「俺はいつになったらランク戦出来るんだ」

久遠は少しショックを受けていた。おそらく、まだ久遠を恐れている人はいるのだろう。
みんなは敵が来たことは知っていたが、あの合宿でオーナーたちが殺されたことは知らない。

俺たちはあの立ち入り禁止の部屋に入ろうとしていた。
聞いた話では、その部屋でオーナーたちは殺されていたらしい。
あのまま入っていたら危なかったと思う。

久遠は夜ご飯を食べに行った。
みんながもう食堂に来ていた。

「朔。ここだよ」

「みんなもう来てたんだね」

「うん」

「そうよ」

四人で食事をとる。
久遠はランク戦のことを聞いた。

「みんなはランク戦決まった?」

「俺は、決まってる」

「私も決まってる」

「私も決まってるよ」

「いいな。俺はまだ決まってないんだ」

「そうなのか」

「うん」

「何でだろうね」

「わからないけど。まだ、俺の事怖いのかも」

「そうなのかな。私は最初怖かったよ。だけど、小夜が怖くない人だよって言ったけど、本当なのって思ったの」

「そうなんだ」

「うん。ラストメモリアのこと聞いてビックリもしたし。辛そうって思った」

「思った事はあるよ。どうして俺なのかって。記憶を奪われたら母さんや父さんや妹の事忘れた時は大変だった」

「へぇー。妹いたんだ」

「うん。一つ年下だけど」

「妹さんどんな子?」

「妹は。しっかりものなのかな」

「妹さん。可愛いの?」

「可愛いと思う」

「写真ないの?」

「あるにはあるけど」

「見せてよ」

「今部屋だからさ、今度見せるよ」

「わかった」

もう少しで消灯時間になる。四人は自分の部屋に戻った。
久遠は自分の携帯で実家に電話をした。

「プルルル」

「ガチャ」

「はい。久遠です」

「朔、だけど」

「お兄ちゃん。どうしたの?」

「こんな時間に電話して、悪いな」

「いいよ」

「親父にかわってくれるか」

「わかった」

「朔、どうした?」

「親父。夏休みにそっちに戻るから。ラストメモリアの事も聞きたいし。後、蔵の中にあるラストメモリアに関しての記録を見たいんだ」

「わかった。いつ戻ってくるんだ?」

「まだ決めてないけど。その時また連絡するよ。後、親父に言いたかった事があるんだ。戻った時に話すよ。おやすみ」

「わかった。おやすみ」

久遠は電話を切った。そして、少しパソコンで記憶を喰って生きていたドラゴンの事を調べた。
だが、ドラゴンの情報が見つからない。そのドラゴンの名前すら、わからない。

「ドラゴンの名前がわかれればな」

まったく手がかりは掴めなかった。調べていると時間がたっていた。
久遠はお風呂に入り、そのままベッドで眠った。

朝を迎えた。誰かが久遠のドアを叩く音がした。

「コンコン」

「はーい」

久遠はドアを開けた。目の前には綾人がきていた。

「朔、おはよう。みんな待ってるぜ」

「おはよう。今、準備する。少し待ってて」

「わかった」

準備ができると、綾人は廊下で待っていた。

「準備できたか!」

「うん。行こう」

「おう」

久遠と綾人は食堂に向かう。そして、朝ご飯はパンを取って焼いた。ジャムかバターが置いてありどれか選べる。
久遠はバターにした。パンにバターを塗った。
パン2枚と牛乳にしてみんなの所に向かう。

「小夜、雪乃おはよう」

「おはよう」

「おはよう」

「今日も黒刃先生の特訓あるんだよね」

「うん」

「小夜ちゃん。もう、辞めたいの?」

「ち、違うよ。本当に強くなれるのかなって」

「小夜なら強くなるよ」

「うん」

「それに私、今日、ランク戦だから緊張してあんまり寝れなかった」

「そうだったんだ」

「うん」

「大丈夫。小夜なら勝てるって」

「綾人君。簡単に言うけど、相手も強い人なんだからね」

「へぇー」

「人ごとだと思って」

「ごめんって。俺も明日ランク戦だし」

「私は明後日よ」

「そうなんだ。応援しに行くよ」

「わかった」

「応援よろしく」

朝ご飯が終わり、鞄を取りに部屋に戻る。
鞄を取って、下で待った。綾人が寮から出てきた。
残るはあと二人だった。

「あれ、なかなか降りてこない」

「そうだな。どうしたんだろう」

二人が待っていると雪乃が降りてきた。でも、小夜がいなかった。

「あれ、小夜は?」

「部屋に戻ってから出て来ないの」

「何で?」

「多分、ランク戦があるから。緊張して怖くなってるのかも」

「なるほどね。雪乃、小夜の部屋に連れて行ってくれる?」

「わかった」

久遠たちは小夜の部屋の前に行った。

「コンコン」

ドアを叩いても返事がなかった。雪乃が開けようとしても鍵がかかってる。

三人の間に、重い沈黙が落ちた。

雪乃は携帯で小夜に電話をした。

「ガチャ」

「あ、出てくれた。早く学園に行くよ」

「私……行かない」

一瞬、言葉が出なかった。

「……どうして?」