すべてが壊れたあとの復讐(短コン応募用・4章まで中編と同じ内容)

子どもの頃、夢中になって読んでいた『シンデレラ』や『白雪姫』の物語。
理不尽な逆境にあった女の子が最後には救われて、彼女たちを虐げていた悪人たちは、しっかりと惨めな目に遭う。
そんな勧善懲悪のおとぎ話が、逆境にあったときの、唯一の心の支えだった。

けれど、大人になった最近になって、ふと思うことがある。

――彼女たちは、本当にあのあと、幸福になれたのだろうか?――

自分の存在を根底から否定され、ただただ悪意と暴力に支配される日々を送った彼女たち。めでたしめでたしの幕が下りたあとも、ふとした拍子に過去の傷が疼いたりしなかったのだろうか。

過剰に他人の顔色を窺ってしまったり、自己卑下に囚われたりすることはなかったのだろうか。本当の意味で、平穏な心を取り戻せたのだろうか。

王子様と結ばれたハッピーエンドの、その先。

どうしてだろうか? そんなことを気にしても仕方ないのに、どうしても、「すべてが終わったあと」を生きる彼女たちのことが気になってしまう。絵本には書かれていない、その先がどうなったのかを知りたくなる。

そんなことが気になってしまうのは、きっと自分自身が「めでたしめでたし」のあとも、平穏に生きられていないからだ。すべては終わったのに……もうずっとずっと昔の出来事なのに、いまだに「終わった」とは思いきれずにいる自分自身のせいなのだろうな。