神様になった元カレが、私を溺愛してるのは生贄だからってだけですか!?

〇離れの廊下

野良猫が庭で伸びている。
鳥が屋根で2羽仲良く鳴いている。
緩くサイドローポーニーにした美桜が、晴れた空を見上げる。
少し疲れた様子で。

美桜「この離れ広すぎる......」

M「説明しよう!鳥のさえずりで目が覚めた美桜は、ここの家主である狐白に挨拶をしに行こうと自室から出たのだが、この屋敷が大きすぎて道に迷っているのだ!」

↑(※説明イラスト)
左に目を3にした寝起き美桜。扉が縦線で表現された右側に鳥が鳴いてるイラスト。
ミニキャラ美桜がテコテコ歩く▶︎目をバツにしたミニキャラ美桜がきょろきょろ。(※汗飛ぶ)

しゃがみこみ庭にある池の魚を見つめる。
水面に美桜の顔が反射する。
魚に話しかける。

美桜「家が広すぎて迷うって経験したことある...?私は今初体験中だよ.....」

再び顔を上げて空を見てると、いい匂いが漂ってくる。(※匂いをもくもくで表現)
ミニキャラ美桜が嗅ぐ▶︎ヨダレを垂らす。

美桜「焼き魚......!どこから?」

くんかくんかしながら、匂いに釣られるように歩く。
目を閉じて匂いで近寄ってきたことに気がついた狐白が、台所で振り向く。
割烹着を着て、菜箸を握りながら愛おしそうに吹き出す。

狐白「おや、くふふ。おはようございます。そろそろ起こしに行かねばと思っていたところです」

ようやく夢中になっていた事実に気がついた美桜は、突然恥ずかしくなり、顔を真っ赤に染める。
肩が上がり、目が泳ぐ。

美桜「おはようございます」

だが、狐白の体で隠れている美味しそうな匂いの元が気になる美桜。
体を左右に伸ばして覗こうとする。(※ミニキャラ)
それに気がついて、見えるように少し避ける狐白。

狐白「朝食は焼き鮭ですよ」

美桜「焼き鮭......!」

嬉しそうなオーラがぽぽぽと飛び出る美桜。
それに感染するように嬉しくなる狐白。

〇食卓を囲む2人

色とりどりに並べられた豪華な朝食。
白米と焼き鮭と卵焼きとほうれん草のお浸し。
目を輝かせる美桜。
手を合わせて、元気よく(※↖️⬆️↗️と頭の上に元気を表現する線)

美桜「いただきます...!!」

狐白「はい。どうぞ召し上がってください」(※伏せ目がち)

焼き鮭を箸で丁寧に解し、口に入れる。
頬張って、ガバッと狐白を見るため顔をあげる。
口に手を添えて。

美桜「美味しいです!!塩加減、完璧です、!」

キラキラする瞳を見て、驚いたように背筋を伸ばす狐白。
耳が動く。
次々とパクパクご飯を食べるミニキャラ美桜を見て。

狐白「良かった......」

美桜の手が止まる。
?と首を傾げながら咀嚼していると、慌てた様子で狐白が目を合わせる。
その後、恥ずかしそうに目を逸らし。

狐白「手料理を振舞うのが初めてなんです」

頬をかきながら、幼い顔をして笑う狐白。

狐白「嬉しいものですね。美味しいと笑ってくれる方がいるのは」

美桜は優しく笑う。
ワクワクした顔で卵焼きを手に取り、食べる。

美桜「卵焼きも美味しいです!」

狐白のしっぽが椅子の後ろでフリフリ揺れる。

狐白「ありがとうございます!」

伏せ目がちで食べる狐白と嬉しそうに食べる美桜。(※食卓を引き画角)

〇食後の食卓

食後ゆっくりお茶を飲み、リラックスしてる美桜。
食器をお盆に乗せて、ソワソワする狐白。
お盆を持ち上げた段階で、眉を下げながら美桜を見る狐白。

狐白「あ、本日、もし宜しければお守り作りを手伝って頂けないですか?」

美桜がぽかんと狐白を見つめる。

美桜「お守り作りですか?」

狐白「はい。人間界に送るお守りを夜な夜な作っているんですが、終わりが見えなくて困ってるんです」

しっぽが垂れ下がる。
分かりやすい態度にふはっと笑った美桜。

美桜「是非!やらせてください!器用さは求めないでくださいね...?」

狐白のしっぽがぴょんと上がる。

狐白「ありがとうございます...!」

〇狐白の部屋

緩い浴衣(※寝間着)から着物に着替えてる。(※狐白が着せた)
布や裁縫道具が散らばる机。
難しい顔をして紐を結ぼうとする美桜。
涼しげな顔で効率よくこなす狐白。
美桜が上を向いて唸る。

美桜「〜〜!!!難しい......!!!」

狐白「んはは、手伝って下さってありがとうございます」

美桜を手元を確認した狐白が、わかりやすいように美桜のお守りを持ち説明する。

狐白「初めてだと複雑ですよね。でも、コツを掴めば......ここに通して、きゅっと。これだけです」

美桜「おぉ!、!やっぱり慣れてる方は無駄な動きがないですね!!」

感動してお守りを眺める美桜。
シャキッとして。

美桜「よし!頑張ります!!」

新しい布を使って、作業を開始する美桜。
奮闘する姿を見つめながら、ゆっくりと口を開く。

狐白「ひとつだけ、お伺いしたい事があるのですが......」

美桜「はい。なんですか?」

紐と睨めっこしながら、答える美桜。
狐白は作業に戻りながら。

狐白「ここに来た経緯を伺ってもいいですか?」

ピタッと一瞬手が止まった美桜。
すぐに動かして、穏やかな雰囲気で。

美桜「子供を助けた拍子にトラックに跳ねられてしまいました」

純粋な瞳で狐白を見上げる美桜。
後悔はないと言いたげな笑顔に、一瞬固まったあと、作業を開始しながら微笑む。

狐白「美桜さんの死はきっと無駄じゃないと思います」

美桜「..........そうだと救われます」

〇作業後

机の上に沢山のお守りが並ぶ。
最後のひとつを結び終えた狐白が、腕を上にあげ伸びをする。
声をかけようと隣を見ると、左手にお守りを握った美桜が机に突っ伏して眠っていた。
優しく微笑んだあと、着ていた羽織を脱ぎ、美桜の肩にかける。
お守りを取り、代わりに結んで机に並べる。
再び美桜の寝顔を眺める狐白。
頭を撫でる手を一瞬躊躇うも、ゆっくり美桜の頭を撫でる。
美桜の表情が和らぐ。

狐白「お手伝いありがとうございました。おかげで助かりました」

〇狐白の回想

黒い着物(袖が羽のようにバサバサしてる)に身を包んだカラスの神様。
飛ぶため下がワイドレッグパンツのようになっている。
池の魚に餌をやって穏やかに微笑んでる狐白の元に天から降りてくる墨丸。
溌剌とした笑顔。

墨丸「よっ!狐白!」

驚いて肩が上がる狐白。
呆れたように肩を下ろしながらも少し睨む。

狐白「墨丸さん......何度言わせるのですか...驚くから少し離れた所から歩いて来てください」

広がったしっぽを撫でる狐白。
いししと悪ガキのように笑う墨丸。
縁側にドカッと座る。(※足を開き、後ろに手をつく)

墨丸「いい話と悪い話どっちから聞きたい??」

狐白「どちらも聞きたくありません」

池周りの雑草を掃除しながら、呆れ果ててる狐白。
そんな事はお構いなしに、楽しげに話し出す墨丸。

墨丸「んじゃ!まずはいい話な!お前が作った新作のお守り、人間界でかなり評判らしいぞ」

嬉しそうに立ち上がり振り返る狐白。
目が合った2人。
墨丸も満面の笑み。
でも、すぐに真剣に眉を釣り上げる墨丸。

墨丸「で......悪い話。なんか......なんだ、狐白が気にかけてた女が、子供庇って死んだらしい」

耳が垂れ下がる。
瞳孔が開き、手から雑草がこぼれ落ちる。

〇現在

狐白M「あれから何度も何度も」

美桜の頭から手を離し。

狐白「やっぱり今回も小さい子供を見捨てられなかったんですね」