〇天界の神社
小春「天界...?」
怪訝そうに首を傾げる小春。
スタスタと歩いて縁側に座る狐白。足を組み、袖に腕を入れたまま。
狐白「美桜さんも、どうぞ」
少しだけ狐白の方に体を向けた小春。
胸の前で指を絡めながら、居心地悪そうにする小春。
小春「名前は乃村小春です......」
少し切なそうに視線を落とす狐白。
狐白「死亡報告書でそれは拝見しております」
小春「なら――」
狐白「天界へ引き寄せられた理由に基づいて、名前の変更が義務化されているのです」
眉を顰める小春。
小春M「引き寄せられた理由......」
狐白をまっすぐ見て。
小春「私はどうして天界に来たんですか?」
靡く前髪を穏やかに手で避けた狐白。
狐白「生贄としてです」
小春の視界から色がなくなる。
1歩後ろに後ずさる。
コツンと石が足に引っかかり、そのまま地面に座り込む。
小春(私の人生ほんとになんなの.....)
手で顔を覆う。
〇小春の想像
檻の中に閉じ込められるボロボロの小春。
何も無い部屋で三角座りをして、震えてる。
狐白「美桜、時間だぞ」
首輪を着けられ、前を歩く小春。
奥の部屋に入り、中を見ると。
色々な刃物道具が揃っている。
青ざめる小春。
暴れて逃げようとする小春を妖力で捕まえ宙に浮かす狐白。
狐白「何を逃げようとしてるんだ。優しくされたきゃ大人しくしてろ」
押さえつけられ、震える小春。
〇天界の神社
小春(生贄の末路なんてこんなのしかないじゃん...!)
カタカタ震え始める小春に気が付き、サッと立ち上がってそばに来る狐白。
着物が汚れることも気にせず、膝をつく。
小春の背中に手を当てようとする。
けれど、怯えるように逃げた小春が瞳に涙を沢山溜めている。
それを見た狐白は、素早く両手を上にあげる。
狐白「安心なさい。貴方を痛めつけるようなことは致しません。」
真っ直ぐに見つめる狐白。
信じられず縮こまる小春。
呆れたように軽く息を吐く狐白。
そっと立ち上がり、小春に手を伸ばす。
狐白「想像していることは何となく察しがつきます。ですが、その様なことはしないと今ここで誓いましょう」
見上げると同時に涙が零れる。
小春の瞳に狐白が写る。(※小春の黒目に狐白が写ってる)
優しく微笑んでる狐白。
小春(絶対嘘だ)
小春M「私はそんなにもいけないことをして生きてきただろうか。」
自分の手首をグッと握る。
小春M「それとも本当にただ運が悪いだけなの?」
虚ろな瞳で、ふらっと立ち上がり。
機械的に狐白を見る。
狐白は圧倒されて、息を飲む。(※頬に汗)
小春「差し上げます......私の全部」
風が吹く。
狐白のサイドローポニーが揺れる。
悲しみが滲んだような顔をする狐白。
小春「なんでしたっけ。美桜でしたっけ?」
服を握る小春。
狐白は何も言わず頷く。
小春「美桜として生きます。......生きていられる日まで」
狐白は、袖から腕を出し、美しく礼をする。
狐白「ありがとうございます」
ゆっくりと顔を上げ、目を合わせる。
覚悟が決まったような眼差しをしている小春。
眉を8の字にして、悲しさを隠すように微笑む狐白。
羽織をひらりと舞わせながら、向きを変えて歩き出す狐白。
狐白「私が普段生活している離れに案内します」
後ろを小走りでついて行く美桜。
手入れの行き届いた木の道を進んでいく。
ひとつの木を見つけ動きが止まる美桜。
その事に気が付き、振り返る狐白。
儚い表情で木を見つめる美桜。(※狐白視点)(※お団子髪・スーツを着て寂しげに立ってる)
その後ろに嬉しそうに桜を見つめる小春が立ってる。(※ゆるりとウェーブ巻きを靡かせながら、ロングスカートを揺らしている)
目線が美桜から離れ小春を見る狐白。
狐白(ここでも......)
目線を美桜に戻し、美しい所作で近寄る。
羽織が靡く。
同じ木を見上げ。
狐白「こちらの木は春になると桜が満開になります」
『今年はもう散ってしまいましたが』と寂しげに笑う狐白。
美桜「桜......お好きなんですか?」
驚いた表情の狐白。
狐白「え、」
美桜「あっ、いや...、私の名前......美『桜』なので......」
気まずそうに頭を搔く美桜。
桜をバックに満面の笑みを浮かべピースする小春を、低い位置から映すスマホ。(※狐白の回想)
背筋を伸ばし木を見つめる狐白。
穏やかに微笑み。
狐白「えぇ。桜が咲くと愛おしい気持ちになるもので」
狐白の横顔を見上げる美桜。
美桜「......分かります」
パッと美桜を見たあと、ぷはっと微笑む狐白。
背を向け歩き始め。
狐白「貴方とはなんだか気が合いそうです」
靡く羽織を見つめる美桜。
小春(この懐かしさはなに......)
〇離れの一室
狐白「どうぞ」
部屋の中は、丁寧に整頓されていて、ホコリひとつない。
青の花が刺繍された着物が掛けてあり、全身鏡が置いてある。
美桜「これは...」
廊下から声を出す美桜。
狐白が先に中に入り、着物に触れながら。
狐白「美桜さんのお着物です」
戸惑うように中に入ってくる美桜。
近くで着物を見て、苦笑いしながら。
美桜「こんな綺麗なお着物......私に着こなせるかな......」
狐白「大丈夫です。きっと何を着てもお似合いですよ」
ゆったりと伏せ目がちに準備を始めた狐白。
されるがままで立ってる美桜。
(※数十分後)
美桜「どうでしょうか...?」
全身鏡越しに狐白の顔を見る美桜。
自信なさげに、俯く。
狐白が鏡を見たまま固まる。
しっぽの先が揺れる。
〇狐白回想
小春「智也...」
声のする方を見る智也。
一気に目を見開き、驚く。
智也「そ、それどうしたの?」
小股で歩いてくる小春。
ベッド横の棚にバッグを置いて、智也を見る。
恥ずかしそうに頬を染め、目を泳がせる。
手をモジモジさせる。
小春「......花火大会行くから久しぶりに引っ張り出してきた、、」
胸に手を当て固まる智也。
何も言わない智也に、不安になってくる小春。
小春「う、浮かれ過ぎだよね......!約束した次の日に浴衣とか、!」
『花火大会はまだ3ヶ月も先だっての』とブツブツ言いながら横髪を耳にかける。
ふはっと笑った智也。
智也「綺麗だよ」
智也「綺麗すぎて驚いちゃった。発作出たらどうしてくれるの」
意地悪な顔をして小春焦らせる智也。
小春「ごめん!大丈夫!?」
智也「大丈夫だよ。ありがとう。浴衣姿嬉しいよ」
智也が小春の手を握りしてる。
目に焼きつけるように見つめる。
〇離れの一部屋
美桜「あの...」
居心地悪そうに手をいじいじする美桜。
その姿に慌てて、目をきょろきょろさせる狐白。
狐白「いえ、お似合いです」
柔らかい笑顔でそう答える。
照れて頬を赤らめながらも、肩を竦めて笑う美桜。
くるりと狐白の方に向く。
狐白の耳がぴぴっと動く。
美桜「あ、ありがとうございます」
驚いた後、ゆったりと微笑み返す狐白。
しっぽは嬉しそうに揺れている。(※しっぽアップ)
小春「天界...?」
怪訝そうに首を傾げる小春。
スタスタと歩いて縁側に座る狐白。足を組み、袖に腕を入れたまま。
狐白「美桜さんも、どうぞ」
少しだけ狐白の方に体を向けた小春。
胸の前で指を絡めながら、居心地悪そうにする小春。
小春「名前は乃村小春です......」
少し切なそうに視線を落とす狐白。
狐白「死亡報告書でそれは拝見しております」
小春「なら――」
狐白「天界へ引き寄せられた理由に基づいて、名前の変更が義務化されているのです」
眉を顰める小春。
小春M「引き寄せられた理由......」
狐白をまっすぐ見て。
小春「私はどうして天界に来たんですか?」
靡く前髪を穏やかに手で避けた狐白。
狐白「生贄としてです」
小春の視界から色がなくなる。
1歩後ろに後ずさる。
コツンと石が足に引っかかり、そのまま地面に座り込む。
小春(私の人生ほんとになんなの.....)
手で顔を覆う。
〇小春の想像
檻の中に閉じ込められるボロボロの小春。
何も無い部屋で三角座りをして、震えてる。
狐白「美桜、時間だぞ」
首輪を着けられ、前を歩く小春。
奥の部屋に入り、中を見ると。
色々な刃物道具が揃っている。
青ざめる小春。
暴れて逃げようとする小春を妖力で捕まえ宙に浮かす狐白。
狐白「何を逃げようとしてるんだ。優しくされたきゃ大人しくしてろ」
押さえつけられ、震える小春。
〇天界の神社
小春(生贄の末路なんてこんなのしかないじゃん...!)
カタカタ震え始める小春に気が付き、サッと立ち上がってそばに来る狐白。
着物が汚れることも気にせず、膝をつく。
小春の背中に手を当てようとする。
けれど、怯えるように逃げた小春が瞳に涙を沢山溜めている。
それを見た狐白は、素早く両手を上にあげる。
狐白「安心なさい。貴方を痛めつけるようなことは致しません。」
真っ直ぐに見つめる狐白。
信じられず縮こまる小春。
呆れたように軽く息を吐く狐白。
そっと立ち上がり、小春に手を伸ばす。
狐白「想像していることは何となく察しがつきます。ですが、その様なことはしないと今ここで誓いましょう」
見上げると同時に涙が零れる。
小春の瞳に狐白が写る。(※小春の黒目に狐白が写ってる)
優しく微笑んでる狐白。
小春(絶対嘘だ)
小春M「私はそんなにもいけないことをして生きてきただろうか。」
自分の手首をグッと握る。
小春M「それとも本当にただ運が悪いだけなの?」
虚ろな瞳で、ふらっと立ち上がり。
機械的に狐白を見る。
狐白は圧倒されて、息を飲む。(※頬に汗)
小春「差し上げます......私の全部」
風が吹く。
狐白のサイドローポニーが揺れる。
悲しみが滲んだような顔をする狐白。
小春「なんでしたっけ。美桜でしたっけ?」
服を握る小春。
狐白は何も言わず頷く。
小春「美桜として生きます。......生きていられる日まで」
狐白は、袖から腕を出し、美しく礼をする。
狐白「ありがとうございます」
ゆっくりと顔を上げ、目を合わせる。
覚悟が決まったような眼差しをしている小春。
眉を8の字にして、悲しさを隠すように微笑む狐白。
羽織をひらりと舞わせながら、向きを変えて歩き出す狐白。
狐白「私が普段生活している離れに案内します」
後ろを小走りでついて行く美桜。
手入れの行き届いた木の道を進んでいく。
ひとつの木を見つけ動きが止まる美桜。
その事に気が付き、振り返る狐白。
儚い表情で木を見つめる美桜。(※狐白視点)(※お団子髪・スーツを着て寂しげに立ってる)
その後ろに嬉しそうに桜を見つめる小春が立ってる。(※ゆるりとウェーブ巻きを靡かせながら、ロングスカートを揺らしている)
目線が美桜から離れ小春を見る狐白。
狐白(ここでも......)
目線を美桜に戻し、美しい所作で近寄る。
羽織が靡く。
同じ木を見上げ。
狐白「こちらの木は春になると桜が満開になります」
『今年はもう散ってしまいましたが』と寂しげに笑う狐白。
美桜「桜......お好きなんですか?」
驚いた表情の狐白。
狐白「え、」
美桜「あっ、いや...、私の名前......美『桜』なので......」
気まずそうに頭を搔く美桜。
桜をバックに満面の笑みを浮かべピースする小春を、低い位置から映すスマホ。(※狐白の回想)
背筋を伸ばし木を見つめる狐白。
穏やかに微笑み。
狐白「えぇ。桜が咲くと愛おしい気持ちになるもので」
狐白の横顔を見上げる美桜。
美桜「......分かります」
パッと美桜を見たあと、ぷはっと微笑む狐白。
背を向け歩き始め。
狐白「貴方とはなんだか気が合いそうです」
靡く羽織を見つめる美桜。
小春(この懐かしさはなに......)
〇離れの一室
狐白「どうぞ」
部屋の中は、丁寧に整頓されていて、ホコリひとつない。
青の花が刺繍された着物が掛けてあり、全身鏡が置いてある。
美桜「これは...」
廊下から声を出す美桜。
狐白が先に中に入り、着物に触れながら。
狐白「美桜さんのお着物です」
戸惑うように中に入ってくる美桜。
近くで着物を見て、苦笑いしながら。
美桜「こんな綺麗なお着物......私に着こなせるかな......」
狐白「大丈夫です。きっと何を着てもお似合いですよ」
ゆったりと伏せ目がちに準備を始めた狐白。
されるがままで立ってる美桜。
(※数十分後)
美桜「どうでしょうか...?」
全身鏡越しに狐白の顔を見る美桜。
自信なさげに、俯く。
狐白が鏡を見たまま固まる。
しっぽの先が揺れる。
〇狐白回想
小春「智也...」
声のする方を見る智也。
一気に目を見開き、驚く。
智也「そ、それどうしたの?」
小股で歩いてくる小春。
ベッド横の棚にバッグを置いて、智也を見る。
恥ずかしそうに頬を染め、目を泳がせる。
手をモジモジさせる。
小春「......花火大会行くから久しぶりに引っ張り出してきた、、」
胸に手を当て固まる智也。
何も言わない智也に、不安になってくる小春。
小春「う、浮かれ過ぎだよね......!約束した次の日に浴衣とか、!」
『花火大会はまだ3ヶ月も先だっての』とブツブツ言いながら横髪を耳にかける。
ふはっと笑った智也。
智也「綺麗だよ」
智也「綺麗すぎて驚いちゃった。発作出たらどうしてくれるの」
意地悪な顔をして小春焦らせる智也。
小春「ごめん!大丈夫!?」
智也「大丈夫だよ。ありがとう。浴衣姿嬉しいよ」
智也が小春の手を握りしてる。
目に焼きつけるように見つめる。
〇離れの一部屋
美桜「あの...」
居心地悪そうに手をいじいじする美桜。
その姿に慌てて、目をきょろきょろさせる狐白。
狐白「いえ、お似合いです」
柔らかい笑顔でそう答える。
照れて頬を赤らめながらも、肩を竦めて笑う美桜。
くるりと狐白の方に向く。
狐白の耳がぴぴっと動く。
美桜「あ、ありがとうございます」
驚いた後、ゆったりと微笑み返す狐白。
しっぽは嬉しそうに揺れている。(※しっぽアップ)
