耳にイヤホンを入れ僕は一人、田んぼ道を歩いていた。
土曜日に補習で登校したが、久しぶりに自転車が盗まれた。こんな日に限ってバスはトラブルで午後中運休らしい。
ムッちゃんは選抜合宿に行って先週からいない。英語の歌を聞きながら、雪の残る道を行く。
ランダムな選曲。『コールマイネー厶』がかかった。ムッちゃんの好きな歌。つまり好きな人の好きな歌。
ラインが来た。
『昼休憩中』
写真も一緒だ。ムッちゃんが寝技を誰かにかけている。顔を拡大すると神木だった。
『ムッちゃんの好きな歌をきいてるよ』
『朝陽に会いたい』
田んぼ道の先に何かが転がっている。僕の自転車だ。
走って見に行く。ムッちゃんからもらった長野県警のキーホルダーは無事だ。
「よかったー、鍵がついてる」
自転車を起こし、イヤホンを外す。
『僕も会いたい』と送ってスマホはしまった。休憩時間はそろそろ終わりだろう。僕に構っている暇は無いはずだ。
自転車に乗り、漕ぎ出す。もうすぐ本当の冬が来る。遠くに見える山は白く、吐く息も白い。冷たい風が吹き付け、手は赤くかじかむ。
合宿に行く前の夜に、デートをした。
デートと言っても、2人で夜の田んぼ道を歩いただけだ。星が降るような空の下、寒いと言い訳して手をつなぎ、くっついてキスした。
「明日から合宿か……朝陽、しばらく会えないからもう一回キスしていい?」言い訳せずにキスできるのはいつになるだろう。
合宿からムッちゃんが帰ってきたら、たくさんキスしていっぱい話そう。
きっと楽しい冬になる。
土曜日に補習で登校したが、久しぶりに自転車が盗まれた。こんな日に限ってバスはトラブルで午後中運休らしい。
ムッちゃんは選抜合宿に行って先週からいない。英語の歌を聞きながら、雪の残る道を行く。
ランダムな選曲。『コールマイネー厶』がかかった。ムッちゃんの好きな歌。つまり好きな人の好きな歌。
ラインが来た。
『昼休憩中』
写真も一緒だ。ムッちゃんが寝技を誰かにかけている。顔を拡大すると神木だった。
『ムッちゃんの好きな歌をきいてるよ』
『朝陽に会いたい』
田んぼ道の先に何かが転がっている。僕の自転車だ。
走って見に行く。ムッちゃんからもらった長野県警のキーホルダーは無事だ。
「よかったー、鍵がついてる」
自転車を起こし、イヤホンを外す。
『僕も会いたい』と送ってスマホはしまった。休憩時間はそろそろ終わりだろう。僕に構っている暇は無いはずだ。
自転車に乗り、漕ぎ出す。もうすぐ本当の冬が来る。遠くに見える山は白く、吐く息も白い。冷たい風が吹き付け、手は赤くかじかむ。
合宿に行く前の夜に、デートをした。
デートと言っても、2人で夜の田んぼ道を歩いただけだ。星が降るような空の下、寒いと言い訳して手をつなぎ、くっついてキスした。
「明日から合宿か……朝陽、しばらく会えないからもう一回キスしていい?」言い訳せずにキスできるのはいつになるだろう。
合宿からムッちゃんが帰ってきたら、たくさんキスしていっぱい話そう。
きっと楽しい冬になる。

