4時間目終了と同時に、悠生が「麻人」と声をかけてきた。
「昼飯、一緒に食おう」
「うん」
「教室でいい?それとも、場所変える?
「次、移動だし、教室でいいよ」
「ん」と頷いて、早速机をくっつける。
ふと顔をあげると、悠生のうしろには昼飯に誘おうとしたであろう女子たちが、ランチバッグを胸に抱えて立ちすくんでいる。
悠生は気づいていて、わざと見ないようにしているようだ。
うっ……いたたまれない……
でも、女子苦手っぽいし、やっぱり男同士のほうが気楽なんだろうな。
悪いけど諦めてくれ。
それから、西原がさっと振り向いた。
「オレも一緒に食っていい?」
「うん、いいよ」
俺が当たり前のように返事をすると、悠生が顔を顰めた。
西原はその顔をじーっと観察している。
「別にいいじゃん、オレとも友達になってよ!」
西原がぽんぽんと悠生の肩をたたく。
悠生ははぁっと息を吐いて、諦めたように俺の隣に座った。
もしかして悠生、西原のことちょっと苦手なのかな。
西原、陽キャだしな。
3人とも弁当持ちだった。
西原も悠生も、俺の倍近くはありそうな大きな弁当箱だ。
西原は登山部でガタイがいいし、悠生はすらっと細身だけど、高身長だからたくさん食べるんだろう。
「そういや、高橋って部活やってんの?」
西原が唐揚げをつまみながら聞いた。
「やってない。てか、バイトあるし。今日バイト」
「え?悠生、バイトしてるんだ。どこで?」
はっ!思わず聞いたけど、ちょっと図々しいか?
「駅前のファミレス。今度食べにきて。土日はほとんどいるから」
悠生はなんの引っかかりもなく、俺の顔を見ながら、かすかに微笑んで答えてくれた。
ホッと息を吐く。
「うぉ!あそこのファミレス、制服かっこいいよな」
西原の言葉に、うんうんと頷く。
「悠生、似合いそう!」
悠生の制服姿を想像する。
背が高いから絶対似合う。
と、期待の目で見るが、悠生は首をふるふると横に振った。
「俺らが表に出ると、お客さんが殺到してプチパニックになるから、基本裏方やってる」
「すごっ!漫画の世界」
すると、悠生がずいっと顔を近づけてきた。
だから、近いんだって!
「麻人がきたときだけ、店に出るよ。特別」
ささやくように言われ、耳がくすぐったい。
人たらしって、こういうやつのことを言うのか。
「ちょっとちょっと!西原くんのときは?ボクも高橋のかっこいい制服姿見たいな〜」
西原が箸を持ったまま、胸の前で指を組んで、シパシパと瞬きする。
「お前は来なくていい。ていうか来るな」
ズバッ!
西原が撃沈している。
西原ってちょっとツッコミがいがあるというか、からかいやすいんだろうなぁ。
ふと、悠生が俺の手元を覗き込んでいる。
「ん?悠生、食べる?」
卵焼きを箸でつかんで持ち上げる。
隣の弁当箱に入れてやろうとしたら、悠生は「あーん」と口を開けた。
えぇ?!
驚きながらも反射的に口のなかに入れてしまった。
悠生はもぐもぐと形のいい唇を動かし、俺はなんとなくその口の動きをずっと見つめてしまった。
なぜか目が離せない。
ごくんと飲み込むと、悠生は嬉しそうに笑った。
「甘い!俺の好きな甘さ」
「そ、そう?良かったな」
俺たちの様子をじっと見ていた西原が、
「うーん、忠犬と飼い主って感じ!」
と、変な例えをしてきた。
悠生は目を瞬いていたが、実は俺も、悠生の頭に耳が見えてしまった。
ついでにしっぽも。
そっか、犬がごはん食べてるとこって、ずっと見ちゃうもんな。
納得した俺は、弁当の続きを食べ始めた。
「昼飯、一緒に食おう」
「うん」
「教室でいい?それとも、場所変える?
「次、移動だし、教室でいいよ」
「ん」と頷いて、早速机をくっつける。
ふと顔をあげると、悠生のうしろには昼飯に誘おうとしたであろう女子たちが、ランチバッグを胸に抱えて立ちすくんでいる。
悠生は気づいていて、わざと見ないようにしているようだ。
うっ……いたたまれない……
でも、女子苦手っぽいし、やっぱり男同士のほうが気楽なんだろうな。
悪いけど諦めてくれ。
それから、西原がさっと振り向いた。
「オレも一緒に食っていい?」
「うん、いいよ」
俺が当たり前のように返事をすると、悠生が顔を顰めた。
西原はその顔をじーっと観察している。
「別にいいじゃん、オレとも友達になってよ!」
西原がぽんぽんと悠生の肩をたたく。
悠生ははぁっと息を吐いて、諦めたように俺の隣に座った。
もしかして悠生、西原のことちょっと苦手なのかな。
西原、陽キャだしな。
3人とも弁当持ちだった。
西原も悠生も、俺の倍近くはありそうな大きな弁当箱だ。
西原は登山部でガタイがいいし、悠生はすらっと細身だけど、高身長だからたくさん食べるんだろう。
「そういや、高橋って部活やってんの?」
西原が唐揚げをつまみながら聞いた。
「やってない。てか、バイトあるし。今日バイト」
「え?悠生、バイトしてるんだ。どこで?」
はっ!思わず聞いたけど、ちょっと図々しいか?
「駅前のファミレス。今度食べにきて。土日はほとんどいるから」
悠生はなんの引っかかりもなく、俺の顔を見ながら、かすかに微笑んで答えてくれた。
ホッと息を吐く。
「うぉ!あそこのファミレス、制服かっこいいよな」
西原の言葉に、うんうんと頷く。
「悠生、似合いそう!」
悠生の制服姿を想像する。
背が高いから絶対似合う。
と、期待の目で見るが、悠生は首をふるふると横に振った。
「俺らが表に出ると、お客さんが殺到してプチパニックになるから、基本裏方やってる」
「すごっ!漫画の世界」
すると、悠生がずいっと顔を近づけてきた。
だから、近いんだって!
「麻人がきたときだけ、店に出るよ。特別」
ささやくように言われ、耳がくすぐったい。
人たらしって、こういうやつのことを言うのか。
「ちょっとちょっと!西原くんのときは?ボクも高橋のかっこいい制服姿見たいな〜」
西原が箸を持ったまま、胸の前で指を組んで、シパシパと瞬きする。
「お前は来なくていい。ていうか来るな」
ズバッ!
西原が撃沈している。
西原ってちょっとツッコミがいがあるというか、からかいやすいんだろうなぁ。
ふと、悠生が俺の手元を覗き込んでいる。
「ん?悠生、食べる?」
卵焼きを箸でつかんで持ち上げる。
隣の弁当箱に入れてやろうとしたら、悠生は「あーん」と口を開けた。
えぇ?!
驚きながらも反射的に口のなかに入れてしまった。
悠生はもぐもぐと形のいい唇を動かし、俺はなんとなくその口の動きをずっと見つめてしまった。
なぜか目が離せない。
ごくんと飲み込むと、悠生は嬉しそうに笑った。
「甘い!俺の好きな甘さ」
「そ、そう?良かったな」
俺たちの様子をじっと見ていた西原が、
「うーん、忠犬と飼い主って感じ!」
と、変な例えをしてきた。
悠生は目を瞬いていたが、実は俺も、悠生の頭に耳が見えてしまった。
ついでにしっぽも。
そっか、犬がごはん食べてるとこって、ずっと見ちゃうもんな。
納得した俺は、弁当の続きを食べ始めた。


