ゴールデンウィーク中、水やり当番が一度だけあった。悠生は学校近くの図書館で勉強がしたいからと言って、一緒に学校まで行った。結局、図書館には寄らず、水やりを手伝ってくれてそのまま一緒に帰った。
ゴールデンウィーク明けの昼休み、俺たちは中庭でごはんを食べることにした。悠生含めた一軍三人衆、俺、真郷、西原の6人だ。ずいぶん打ち解けた!
俺の隣に座った悠生は、俺の手元をじっと見た。いつもの“おねだり”だ。俺の弁当はいつも夕飯の残り物を適当に詰めてるだけだけど、卵焼きだけは朝自分で作っている。悠生は俺の作った卵焼きが、なぜかお気に入りのようなのだ。
「悠生、あーん」
「ん、ありがと」
いつものように口に運んでやる。ふと気づくと、4人がやけに生温かい目で俺たちを見ていた。一気に顔に熱が集まる。つい、いつもの癖でやってしまった。悠生はというと、平然とした顔で「今日もうまい!」なんて言っている。
「あー、俺ほぼ毎日見てるし、慣れてるから」
西原から謎のフォローが入る。
「まぁ原因は悠生だしな」
「だな!悠生しかあり得ないよな」
「高橋って絶対犬だよな!」
次々にフォローが入り、俺は何も言えない。もはや何も言うまい!
予鈴が鳴り、真郷たちと別れて教室に入る。西原は「トイレ!」と言って走っていった。
席につくと、悠生がちょいちょいと袖を引っ張ってくる。
「何?」
「あのさ、今度の土曜、どっか行かない?」
「いいよ。西原たちも誘って…」
「俺、麻人と2人がいい」
「え?」
「お願い、絶対楽しませるから」
西原が戻ってきて、本鈴が鳴る。俺は悠生から目を逸らして、無言で頷いた。
あっという間に土曜日がやってきた。
服装については散々悩んで、季節外れの真夏日ということで、白い半袖Tシャツに薄手のチェック柄シャツ、デニムのハーフパンツにした。オーバーサイズが好きだから、全体的にダボッとしている。
待ち合わせは、わざわざいいと断ったけど、どうしてもと悠生に言われ、俺の家まで迎えにきてもらった。
玄関のチャイムが鳴り、ドアを開ける。悠生は黒のロゴ入りTシャツに、黒のダボッとしたパンツを合わせている。めちゃくちゃかっこいい…!
「悠生!かっこいい!」
「麻人〜、すげー可愛い」
同時に話し出して、顔を見合わせて笑った。
行き先はここから電車で40分の遊園地だ。久しぶりだからすげー楽しみ!
悠生と喋ってるうちにあっという間に着いて、俺たちはアトラクション全制覇する勢いで遊びまくった。まぁまぁ混んでいたけど、並んでる時間も楽しかった。
夕方になってちょっと疲れてきて、ベンチで休憩する。悠生が自販機でココアを買ってきて渡してくれる。
「あ、ありがと。お金払うよ」
「いいよ。俺が勝手に買ったんだし」
「でも、昼飯もおごってもらったし」
「いいんだよ……デートだからね」
デート、と言われた途端、心臓がドクドクと脈打った。それに、悠生の目がやけに真剣だったから。
「麻人、聞いて」
「うん……」
悠生は俺の手をそっと握った。
「俺ね、麻人のことが好き」
「!」
「行きは友達としてきたけど、帰りは恋人として帰りたい」
「悠生……」
「麻人…ダメ?」
ダメじゃない。俺も悠生のことが……。すげー嬉しい。嬉しくて、悠生の腕に寄り添って、じっと見つめた。
「俺のどこが好きなの?」
照れくさくなって聞いてみた。悠生はすごく優しい顔をして微笑んだ。
「ひとめぼれ、かな。麻人は覚えてないだろうけど、小さいころに麻人に助けられたことがあるんだ」
「そう、なんだ。ごめん、全然覚えてないかも」
悠生はゆっくり話し出した。
でも、俺はそのときのことをはっきり覚えていた。そして、悠生の話を聞くうちに、自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。悠生…違う、違う!バッと立ち上がる。
「麻人?」
「…ごめん、悠生。…それ、俺じゃない」
「え?」
「それ、真郷のことだ……悠生を助けたのは、真郷だよ!」
それだけ言って、俺は走り出した。悠生が何か叫んでいたけど、ごめん、今はとにかく逃げたい。
息が苦しくて、でもそれ以上に胸が痛くて、次から次へと涙が溢れた。
なんだよ!散々好きにさせておいて、人違いって!そんなのありかよ!
ゴールデンウィーク明けの昼休み、俺たちは中庭でごはんを食べることにした。悠生含めた一軍三人衆、俺、真郷、西原の6人だ。ずいぶん打ち解けた!
俺の隣に座った悠生は、俺の手元をじっと見た。いつもの“おねだり”だ。俺の弁当はいつも夕飯の残り物を適当に詰めてるだけだけど、卵焼きだけは朝自分で作っている。悠生は俺の作った卵焼きが、なぜかお気に入りのようなのだ。
「悠生、あーん」
「ん、ありがと」
いつものように口に運んでやる。ふと気づくと、4人がやけに生温かい目で俺たちを見ていた。一気に顔に熱が集まる。つい、いつもの癖でやってしまった。悠生はというと、平然とした顔で「今日もうまい!」なんて言っている。
「あー、俺ほぼ毎日見てるし、慣れてるから」
西原から謎のフォローが入る。
「まぁ原因は悠生だしな」
「だな!悠生しかあり得ないよな」
「高橋って絶対犬だよな!」
次々にフォローが入り、俺は何も言えない。もはや何も言うまい!
予鈴が鳴り、真郷たちと別れて教室に入る。西原は「トイレ!」と言って走っていった。
席につくと、悠生がちょいちょいと袖を引っ張ってくる。
「何?」
「あのさ、今度の土曜、どっか行かない?」
「いいよ。西原たちも誘って…」
「俺、麻人と2人がいい」
「え?」
「お願い、絶対楽しませるから」
西原が戻ってきて、本鈴が鳴る。俺は悠生から目を逸らして、無言で頷いた。
あっという間に土曜日がやってきた。
服装については散々悩んで、季節外れの真夏日ということで、白い半袖Tシャツに薄手のチェック柄シャツ、デニムのハーフパンツにした。オーバーサイズが好きだから、全体的にダボッとしている。
待ち合わせは、わざわざいいと断ったけど、どうしてもと悠生に言われ、俺の家まで迎えにきてもらった。
玄関のチャイムが鳴り、ドアを開ける。悠生は黒のロゴ入りTシャツに、黒のダボッとしたパンツを合わせている。めちゃくちゃかっこいい…!
「悠生!かっこいい!」
「麻人〜、すげー可愛い」
同時に話し出して、顔を見合わせて笑った。
行き先はここから電車で40分の遊園地だ。久しぶりだからすげー楽しみ!
悠生と喋ってるうちにあっという間に着いて、俺たちはアトラクション全制覇する勢いで遊びまくった。まぁまぁ混んでいたけど、並んでる時間も楽しかった。
夕方になってちょっと疲れてきて、ベンチで休憩する。悠生が自販機でココアを買ってきて渡してくれる。
「あ、ありがと。お金払うよ」
「いいよ。俺が勝手に買ったんだし」
「でも、昼飯もおごってもらったし」
「いいんだよ……デートだからね」
デート、と言われた途端、心臓がドクドクと脈打った。それに、悠生の目がやけに真剣だったから。
「麻人、聞いて」
「うん……」
悠生は俺の手をそっと握った。
「俺ね、麻人のことが好き」
「!」
「行きは友達としてきたけど、帰りは恋人として帰りたい」
「悠生……」
「麻人…ダメ?」
ダメじゃない。俺も悠生のことが……。すげー嬉しい。嬉しくて、悠生の腕に寄り添って、じっと見つめた。
「俺のどこが好きなの?」
照れくさくなって聞いてみた。悠生はすごく優しい顔をして微笑んだ。
「ひとめぼれ、かな。麻人は覚えてないだろうけど、小さいころに麻人に助けられたことがあるんだ」
「そう、なんだ。ごめん、全然覚えてないかも」
悠生はゆっくり話し出した。
でも、俺はそのときのことをはっきり覚えていた。そして、悠生の話を聞くうちに、自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。悠生…違う、違う!バッと立ち上がる。
「麻人?」
「…ごめん、悠生。…それ、俺じゃない」
「え?」
「それ、真郷のことだ……悠生を助けたのは、真郷だよ!」
それだけ言って、俺は走り出した。悠生が何か叫んでいたけど、ごめん、今はとにかく逃げたい。
息が苦しくて、でもそれ以上に胸が痛くて、次から次へと涙が溢れた。
なんだよ!散々好きにさせておいて、人違いって!そんなのありかよ!
