ずっと一緒に

 今日は金曜日で、明日は休みだ。
 何か予定でもあるのだろうか、と思っていると、陽道が呑気に答えた。
「そうだな、とりあえず昼頃集まって、飯でも食ったらいろいろ見て回ろうかと思ってるけど」
「いいね、いろいろ行ってみよう。って言っても、ボク、ここらに何あるのか全然知らないけど」
 笑い声をあげる夕に対し、陽道もまた、軽く笑う。
「その案内も兼ねて、って話だったろ。まあ軽く調べといてくれよ」
「そうだねー、なんかいいとこあるかなー」
 まだ疑惑か薄っすらと残ってる以上、きちんと話を聞くべきかもしれないが、どうやらあの様子だと、陽道も夕は無関係だと思っているようだった。
 もしかしたら、すでに先に聞いてくれているのかもしれない。
 どちらにせよ、直接話を聞いてから判断すべきことではあるものの、俊樹は内心、かなり安心しきっていた。
 それにしても、2人が遊びに行くというのであれば、自分のことも誘ってくれたらいいのに。
 少しも話題として挙がっていなかった予定の存在に、疎外感を覚える。
 これについても、直接2人に――
「そういえば、明日のことは俊樹には内緒、でいいんだよね?」
 個室を出ようとして、聞こえてきた夕の言葉に、俊樹は耳を疑った。
 内緒? どうして?
「ああ、頼む」
 夕の言葉を肯定する陽道に、俊樹は呆然とした。
 2人だけで出かけるのは、別にいい。
 自分が決めるようなことではないし、彼らが仲良くすることだって、何も問題はない。
 ただ、内緒で出かけるというのは、どういうことなのだろうか?
 意図的に排除しようとしている? わざわざ2人で遊ぶために?
 夕は気のいいやつだし、陽道と仲良くなるのだって早かった。
 その結果、2人で遊びに行くようになるのだって、ごく当たり前のことではあるけれど、どうして、そこに自分がいてはいけないのだろうか?
 考える程に、不安な気持ちが大きくなっていく。
 自分にだけ向けられていた、優しい陽道の笑顔が脳裏を過ぎっては、消えていく。
 このまま少しずつ、陽道の隣にいるのが自分ではなく、夕になっていくような、嫌な想像ばかりが膨らんでいった。
 嫌だ、そこは、僕の場所なのに。
 扉の向こう、並んで笑い合う姿の2人を想像して、口の中に苦い味が広がるような感覚がして、俊樹は思わず口元を抑えた。